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中3理科②:太陽の様子

ちさまる この記事で学ぶこと

わたしたちの地球に、光と熱という生命のエネルギーをあたえてくれる、太陽。それは、夜空にまたたく無数の星たちと、同じ種類の天体「恒星」なんだ。この単元では、太陽が一体何でできていて、どうやってかがやいているのか、そして、その表面で起きているダイナミックな活動について、くわしく見ていくよ。

太陽の正体と、その表面

太陽は、岩石でできた地球や月とはまったくちがう。その正体は、水素ヘリウムといった非常に軽い気体が、巨大な重力によって集まった、灼熱のガスの球だ。中心部の温度は1600万℃にも達し、そこで起きる「核融合反応」によって、ばく大なエネルギーを生み出し、自ら光りかがやいているんだ。

わたしたちが普段「太陽の表面」として見ている、かがやいて見える部分を「光球(こうきゅう)」という。この光球の温度は、約6000℃だ。

光球に見られる「黒点」

光球を、天体望遠鏡に太陽投影板などを取りつけて安全に観察すると、黒いシミのような点が見える。これが「黒点(こくてん)」だ。黒点は、まわりよりも温度が少し低い(約4000℃)ため、相対的に黒く見えているだけで、実際には十分明るくかがやいている。

考え中のちさまる ちさまるといっしょに考えよう!

黒点を毎日観察しつづけると、その位置が少しずつ動いていく。このことから、何がわかるんだったっけ?

その通り! この黒点の移動は、**太陽が自転している**ことの決定的な証拠なんだ。しかも、黒点の動く速さは、太陽の場所によってちがう。赤道付近がいちばん速く、極に近づくほどおそくなる。このことから、太陽が、地球のような固い地面ではなく、流動的なガスでできていることがわかるんだ。

太陽をとりまく高温のガス

太陽のまわりには、光球の外側へとうすく広がった、高温のガス層がある。ふだんは光球が明るすぎて見えないけれど、日食のときなどに特別な姿をあらわす。

豆知識を話すコレクト コレクトの発展ラボ:黒点と太陽活動

黒点の数は、常に一定ではありません。約11年の周期で、数が非常に多くなる「極大期」と、ほとんどなくなる「極小期」をくり返します。黒点の数が多い時期は、太陽の活動が活発な時期であり、プロミネンスや、「フレア」とよばれる巨大な爆発現象が頻繁に発生します。フレアが起きると、強力な電気を帯びた粒子が地球に飛来し、人工衛星の故障や、大規模な停電(磁気嵐)などを引き起こすことがあります。太陽の活動は、わたしたちの文明社会と無関係ではないのです。

なるほど!と話すちさまる 受験対策まとめ

太陽の各部分の名称と特徴は、正確に覚えよう!

  1. 太陽の正体は、自ら光る「恒星」であり、灼熱の「ガスの球」である。
  2. 黒点の2つの重要な意味を理解する。
    • ① 黒点の移動 → 太陽の自転の証拠。
    • ② 黒点の数 → 太陽活動の活発さの指標(約11年周期)。
  3. コロナとプロミネンスを区別する。
    「コロナ=外側の高温ガス層」「プロミネンス=立ちのぼる炎」と、イメージで覚えよう。

チャレンジ問題

太陽の黒点を、数日間にわたってスケッチしたところ、黒点は太陽の表面を東から西へ、形を少しずつ変えながら移動しているように見えた。

問1:この観察結果からわかる、太陽の運動を何というか。

問2:黒点の移動が「東から西へ」に見えるということは、太陽は、実際にはどちらの向きに運動していると考えられるか。

こたえを見てみる

問1の答え:自転

問2の答え:西から東
【考え方】これは、地球の自転と天体の日周運動の関係と同じだ。観測者(わたしたち)が乗っている地球が西から東へ自転しているから、太陽は東から西へ動いて見える。同じように、太陽自体が西から東へ自転しているから、その表面にある黒点は、わたしたちから見て東から西へ移動していくように見えるんだ。