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中3理科⑥:自然環境の調査と環境保全

ちさまる この記事で学ぶこと

わたしたちの暮らしは、空気、水、土、そしてたくさんの生き物たちといった、豊かな自然環境によって支えられている。でも、その大切な環境が、今、わたしたち人間の活動によって、少しずつ姿を変え始めているんだ。この単元では、地域の自然環境を科学的に調査する方法と、未来の地球のために、わたしたちができる「環境保全」について考えていくよ。

地域の自然を調査する

自分たちの住む地域の自然環境が、今どのような状態にあるのかを、科学的に知ることはとても大切だ。そのための調査には、さまざまな方法がある。

考え中のちさまる ちさまるといっしょに考えよう!

きれいな川にしか住めない生き物(例えばサワガニやカゲロウの幼虫)が見つかったら、その川はどんな状態だと言えるかな? 逆に、汚れた水でも平気な生き物(例えばアメリカザリガニ)ばかりが見つかったら…?

その通り! 生き物は、その場所の環境を映し出す「鏡」のような存在なんだ。指標生物を調べることで、水質調査の機械がなくても、その場所の水がきれいかどうかを、ある程度推測することができるんだね。

人間の活動が自然環境にあたえる影響

わたしたちの便利な暮らしは、ときに、意図せず自然環境に大きな影響をあたえてしまうことがある。

分析中のコレクト コレクトの論理 de 解説:地球温暖化

現在、人類が直面している最も深刻な環境問題の一つが「地球温暖化」です。これは、石油や石炭などの化石燃料を燃やすことで、大気中の二酸化炭素の濃度が高まり、地球全体の平均気温が上昇している現象です。二酸化炭素は、太陽からの熱を宇宙に逃がしにくくする「温室効果ガス」の代表であり、このバランスが崩れることで、異常気象の増加や、海面の上昇、生態系の変化など、さまざまな問題が引き起こされると予測されています。

未来のための環境保全

豊かな自然環境を、未来の世代へと引きついでいくために、わたしたちができることは何だろうか。この活動を「環境保全」という。国や自治体による法律やルールの整備はもちろん、わたしたち一人ひとりの、日々の小さな行動の積み重ねが、大きな力になるんだ。

なるほど!と話すちさまる わたしたちにできること
  • 省エネルギー:使わない電気を消す、移動には公共交通機関や自転車を使うなど、二酸化炭素の排出を減らす工夫をする。
  • 3Rの実践:ごみを減らす(Reduce)、くり返し使う(Reuse)、資源として再利用する(Recycle)。
  • 地域の自然に関心を持つ:地域の清掃活動に参加したり、どんな生き物が住んでいるかを調べたりすることから始めよう。

チャレンジ問題

「外来生物」が、もともとその地域にいた「在来種」にどのような影響をあたえ、生態系全体のバランスを崩してしまう危険性があるか。具体的な例をあげて説明しなさい。

こたえを見てみる

【解答例】
もともとその地域にいなかった、アメリカザリガニのような強い外来生物が持ちこまれると、以下のような問題が起きる。
① もともといたメダカや水生昆虫などの在来種を食べてしまい、その数を大きく減らしてしまう(捕食)。
② 在来種と同じエサやすみかをめぐって争い、在来種を追い出してしまう(競合)。
その結果、もともと成り立っていた「食べる・食べられる」の関係(食物網)のバランスが崩れ、特定の生物だけが増えすぎたり、逆に絶滅してしまったりして、生態系全体が単純で不安定なものになってしまう危険性がある。