中2地学④:日本の天気の特徴
🌏 日本の気象はなぜ変わりやすい?
日本は北緯約25度〜45度の間に位置し、ユーラシア大陸の東のふち、そして太平洋の西のはしにあります。つまり、日本は次のような気象条件が重なり合う場所にあるのです:
- 暖かい海(太平洋)と冷たい大陸(シベリア)
- 複数の気団(空気のかたまり)がぶつかる場所
- 季節風(モンスーン)の影響が強い
このため、日本の天気は季節によってはっきり変化し、日々の天気も変わりやすいという特徴があります。
🌬️ 日本に影響を与える気団
気団とは、広い範囲にわたって、気温や湿度がほぼ同じな空気のかたまりのことです。日本付近に大きな影響を与える主な気団は次の通りです。
気団名 | 季節 | 性質 | 影響 |
---|---|---|---|
シベリア気団 | 冬 | 冷たく乾燥 | 西高東低の冬型の気圧配置をつくり、季節風をもたらす |
オホーツク海気団 | 初夏 | 冷たく湿っている | 梅雨時の冷たい空気、長雨や霧をもたらす |
小笠原気団 | 夏 | 暖かく湿っている | 夏の晴天、高温多湿、台風のもとになる |
揚子江気団 | 春・秋 | 暖かく乾燥 | 春や秋のさわやかな晴天をもたらす |
太平洋気団 | 梅雨・夏 | 暖かく湿っている | 梅雨前線の形成や夏の蒸し暑さ |
🌀 季節ごとの日本の天気の特徴
🌨️ 冬(12月〜2月)
- 気圧配置:西高東低の冬型
- シベリア気団からの北西の季節風が吹く
- 日本海側に雪(山をこえた湿った空気が冷えて雪に)
- 太平洋側は晴れが多い
📌 例:新潟・秋田など日本海側での大雪
🌸 春(3月〜5月)
- 気圧配置:移動性高気圧と低気圧が交互に通過
- 揚子江気団などの影響で、晴れと雨が数日ごとに入れ替わる
- 花粉や黄砂が飛びやすい時期
☔ 梅雨(6月〜7月初め)
- 気圧配置:オホーツク海気団と小笠原気団がぶつかる
- 停滞前線(梅雨前線)ができ、長雨や湿度の高い天気
- 台風も発生し始める
📌 注意:土砂災害、河川の増水など
🌞 夏(7月中旬〜9月)
- 気圧配置:南高北低の夏型
- 小笠原気団が強まり、高温多湿な天気が続く
- 午後には積乱雲(入道雲)が発達 → 夕立や雷雨
- 台風の接近も多くなる
📌 例:熱中症警戒アラート、台風情報、大雨特別警報
🍁 秋(9月〜11月)
- 気圧配置:再び移動性高気圧と低気圧が交互に
- 空気が乾燥し、さわやかな晴天
- 台風がまだ接近する時期もある
🌊 海洋の影響と日本の天気
(1)黒潮(日本海流)
- フィリピン近海から北上する暖流
- 太平洋側の気温や湿度を上げる
- 小笠原気団を温め、夏の蒸し暑さの原因
📌 暖かい黒潮は、漁場や台風にも影響
(2)親潮(千島海流)
- オホーツク海から南下する寒流
- 北海道や東北の太平洋側に冷たく湿った空気をもたらす
- 春〜初夏の濃い霧の原因となることも
☁️ 日本の天気のまとめ(気象図とからめて)
季節 | 主な気団 | 天気の特徴 | 主な気象現象 | 気圧配置 |
---|---|---|---|---|
冬 | シベリア気団 | 日本海側は雪、太平洋側は晴れ | 季節風・大雪 | 西高東低の気圧配置 |
春 | 揚子江気団など | 天気の変化が大きい | 春一番・黄砂 | 高低が頻繁に入れ替わる |
梅雨 | 小笠原気団・オホーツク海気団 | 長雨・湿度高い | 梅雨前線・豪雨 | 気団の間に梅雨前線 |
夏 | 小笠原気団 | 高温多湿・台風接近 | 熱中症・雷雨 | 南高北低の気圧配置 |
秋 | 揚子江気団など | さわやかな晴天 | 台風・秋雨前線 | 高低が入れ替わる&気団の間に秋雨前線 |
✅ まとめポイント
- 日本の天気は気団と前線、海流の影響で成り立っている。
- 季節ごとの気圧配置と風の流れを押さえると、天気の変化が予測しやすい。
- 前線や台風などが通過する際は、気温・風・気圧・雲の変化に注目する。