中2地学①:気象の観測
☁️ 気象観測とは?
「気象観測(きしょうかんそく)」とは、天気や大気のようすを観測し、記録することです。
天気を予想する(予報する)ためには、現在の大気の状態を正しく知ることが必要です。そのために、温度・気圧・湿度・風・雲・降水量など、さまざまな情報を観測します。
📏 観測する主な要素とその意味
観測項目 | 内容 | 使用する道具 |
---|---|---|
気温 | 空気の温度 | 温度計 |
気圧 | 空気の重さ(おし出す力) | アネロイド気圧計 |
湿度 | 空気中の水蒸気の量 | 湿度計(乾湿計) |
風向 | 風がどの方向から吹いてくるか | 風向計 |
風速 | 風の強さ | 風速計 |
降水量 | 雨や雪の量 | 雨量計 |
雲のようす | 雲の種類・量・動き | 目視・衛星画像など |
🌡️ 気温の観測のしかた
- 温度計を使って、地上1.2〜1.5mの高さで、日かげの風通しのよい場所に設置して測ります。
- これは、地面や日光の影響をできるだけ受けず、正確な気温を知るためです。
📌 日最高気温と日最低気温は、自記温度計(温度が変わると記録される機械)などで自動記録されます。
🌬️ 風の観測
- 風は「風向(ふうこう)」と「風速(ふうそく)」で表します。
- 風向は「風がどこから吹いてきたか」を表し、16方位(東、南東、南、…)で記録します。
- 風速は1秒間にどれくらい空気が動いているか(m/s)で測ります。
📌 風向は風向計で、風速は風速計で測ります。
🌧️ 降水量と雲の観測
■ 降水量
- 雨量計で測定します。
- 降水量は「1時間で何mm降ったか」で表されます。
- 例:1時間で20mm → 地面に20mmの深さの水がたまる量。
📌 雨だけでなく、雪・みぞれなども降水量に含みます(雪は水に換算して)。
■ 雲のようす(観天望気)
- 雲の量(全天の何割か)で表します(0〜10割)。
- 雲の高さや動きも、天気の変化を予想する大切な手がかりです。
🌀 気象観測の道具(+α)
道具 | 役割 |
---|---|
百葉箱(ひゃくようばこ) | 気温・湿度を正しく測るために使う白い箱。通気性がよく、日かげを保つ。 |
乾湿計 | 湿度を測る道具(乾球と湿球の2本の温度計を使う) |
自記計 | 気温・気圧・湿度などを連続的に記録する機械 |
🌍 広い範囲での気象観測(気象庁の観測)
気象庁では日本全国のアメダス(気象自動観測システム)や、気象衛星(ひまわり)などを使って、広い範囲で大気のようすを観測しています。
■ アメダス(AMeDAS)
- 風、気温、降水量などを自動で24時間観測
- 全国に約1300カ所
■ 気象衛星「ひまわり」
- 宇宙から雲や雨の分布、台風の位置を観測
- 約10分ごとに画像を送信し、天気予報や防災に活用
🗾 気象観測の意味と役割
気象観測は、私たちの生活や安全に大きく関わっています。
- 台風や豪雨の早期発見 → 避難の判断に役立つ
- 天気予報 → 農業・漁業・交通・行事の計画に必要
- 長期観測 → 気候変動(地球温暖化など)の研究にも活用
✅ まとめ
観測するもの | 主な道具 | 観測の目的 |
---|---|---|
気温 | 温度計 | 空気の温度を知る |
気圧 | 気圧計 | 天気の変化を予想 |
湿度 | 乾湿計 | 雲や雨のなりやすさを予想 |
風 | 風向計・風速計 | 高気圧・低気圧の動きを知る |
降水量 | 雨量計 | 雨の量を知る |
雲のようす | 目視・衛星 | 天気の変化を予想 |