中1理科①:火山活動と火成岩
この記事で学ぶこと
小学校では、火山が噴火して大地が作られることを学んだね。中学校では、さらにその奥深く、「なぜ火山は噴火するのか?」という根本原因にせまるよ。地下深くで生まれる高温のドロドロの物質「マグマ」の正体と、それが冷えて固まってできる「火成岩」という岩石の種類と見分けかたを、論理的に解き明かしていく!
マグマと溶岩、その違いは?
火山活動を理解する上で、まず最初に区別すべき2つの言葉がある。それが「マグマ」と「溶岩」だ。
- マグマ:地下にある、高温でドロドロにとけた岩石のこと。ガスなどの気体成分をたくさん含んでいる。
- 溶岩:マグマが地表に噴き出し、ガス成分が抜けたあとのもの。
コーラが入ったペットボトルを想像してみよう。キャップが閉まったままの、炭酸ガスが溶けこんでいる状態が「マグマ」。キャップを開けて、ガスが抜けたあとの液体が「溶岩」だと考えるとイメージしやすい。
火成岩:マグマが冷えて固まった岩石
マグマが冷えて固まってできた岩石を、まとめて「火成岩(かせいがん)」という。火成岩は、マグマが「どこで」「どれくらいの速さで」冷えたかによって、結晶のつくりが大きく2種類に分かれる。これが、この単元で最も重要なポイントだ。
コレクトの論理 de 解説
結晶の大きさは、それが成長する「時間」によって決まります。時間をかけてゆっくり冷やすと、結晶は大きく成長できます。逆に、急に冷やされると、結晶は十分に成長する時間がありません。
- 地下深くで、ゆっくり冷えた場合:結晶が大きく成長する時間が十分にある。→ 大きな結晶がぎっしりと集まった、「等粒状組織(とうりゅうじょうそしき)」というつくりになる。このような岩石を「深成岩(しんせいがん)」とよぶ。
- 地表近くで、急に冷えた場合:結晶が大きくなる時間がない。→ 大きくなれた結晶(斑晶)と、結晶になれなかったガラス質の石基(せっき)が入り混じった、「斑状組織(はんじょうそしき)」というつくりになる。このような岩石を「火山岩(かざんがん)」とよぶ。
火成岩の分類と見分け方
火成岩は、上で学んだ「つくりの違い(深成岩か火山岩か)」と、岩石全体の「色の違い(白っぽいか黒っぽいか)」の2つの軸で、細かく分類することができる。色は、含まれている鉱物の種類の割合で決まるんだ。
テストに出る! 魔法の言葉!
この6つの岩石の名前と順番を覚える、有名な語呂合わせがあるよ!
「しんかんせんは、かりあげ」
(深成岩は、花こう岩、せんりょく岩、はんれい岩。火山岩は、流紋岩、安山岩、玄武岩)
コレクトの発展ラボ
岩石の色が白っぽいのは、石英や長石といった「無色鉱物」を多く含むためです。逆に黒っぽいのは、角せん石や輝石といった「有色鉱物」を多く含むためです。例えば、深成岩の「花こう岩」は白っぽいですが、これは無色鉱物の塊です。国会議事堂や、墓石など、身のまわりで広く使われています。
受験対策まとめ
この単元で絶対に覚えるべきポイントはこれだ!
- 火成岩の2つの「つくり」と「冷え方」の関係
- 深成岩 → 地下深くでゆっくり冷えた → 等粒状組織
- 火山岩 → 地表近くで急に冷えた → 斑状組織
- 火成岩の6つの名前と分類
「しんかんせんは、かりあげ」の語呂合わせを使い、白っぽい岩石から黒っぽい岩石の順番で、深成岩と火山岩のペアを完璧に覚えよう!
チャレンジ問題
きみは、とある山で、白っぽく、大きな結晶がキラキラと見える岩石を見つけた。虫めがねで観察すると、結晶の大きさがどれも同じくらいで、すきまなくぎっしりと詰まっているのがわかる。
問1:この岩石は、「火山岩」と「深成岩」のどちらだと考えられるか。
問2:問1のようになぜ考えたのか、「つくり」の名称を使って説明しなさい。
問3:この岩石の名前として、最も可能性が高いものは何か。
こたえを見てみる
問1の答え:深成岩
問2の答え:
結晶の大きさがどれも同じくらいで、すきまなくぎっしりと詰まっている「等粒状組織」というつくりをしているから。
問3の答え:花こう岩
(理由:深成岩であり、なおかつ白っぽい岩石だから)