中1地学③:地層の重なりと過去の様子
🏔️ 地層とは?
地層(ちそう)とは、土や砂、火山灰などが長い時間をかけて積み重なった層のことです。これらは雨や風によって山や岩石がけずられ、川に流されて海や湖の底にたまり、何千年・何万年という時間をかけて固まったものです。
📚 地層の重なり方とその意味
■ 地層は基本的に「下から上へ」積み重なる
これは「地層の累重(るいじゅう)の法則」と呼ばれるもので、
- 下にある地層ほど古く
- 上にある地層ほど新しい
ということを表しています。
📌 ただし、地殻変動や断層の影響でひっくり返っていることもあるため、注意が必要です。
■ 地層の構成:どんなものが含まれている?
地層には次のようなものが含まれています:
- れき(大きな石):川の近くや流れの強い場所
- 砂:中くらいの流れの場所
- 泥:流れのよわい場所(湖の底や海の深いところ)
- 火山灰:火山の噴火によって広くうすく降り積もる
📌 地層にふくまれる物質や粒の大きさから、どんな環境だったかを予想できます。
🔍 地層からわかる過去のようす
地層は「自然の記録ノート」ともいえる存在で、次のようなことがわかります。
■ 1. その場所が「海だったのか・陸だったのか」
- 貝の化石:海だった証拠
- 木の葉や昆虫の化石:陸地だった証拠
■ 2. 気候の変化
- シダやソテツの化石:あたたかい気候
- 針葉樹の化石:寒い気候
■ 3. 地震や火山活動のあと
- 断層が入っている:地震のあと
- 火山灰の層:火山の噴火があった
🦴 化石と地層
■ 示準化石(しじゅんかせき)
「示準化石」とは、「ある時代にしか生きていなかった生物の化石」のことです。これにより地層の時代を特定できます。
化石 | 生きていた時代 | 特ちょう |
---|---|---|
フズリナ | 古生代 | 小さな巻き貝のような形 |
アンモナイト | 中生代 | うずまき形、泳ぐ生物 |
サンヨウチュウ | 古生代 | 三つの部分に分かれた体 |
ナウマンゾウ | 新生代 | 日本の氷河期の動物 |
📌 例:アンモナイトの化石が見つかった地層 → 中生代の地層である可能性が高い。
■ 示相化石(しそうかせき)
「示相化石」は「その場所の環境を示す化石」です。
化石 | 意味すること |
---|---|
サンゴ | あたたかい海だった |
シジミ | 川や湖の近くだった |
アサリやハマグリ | 浅い海の中だった |
🌍 地層の変形と断層
地層が積み重なったあと、地殻変動によって、
- おし縮められて「しゅう曲」になる
- ズレて「断層」になる
ことがあります。
📌 断層が見つかると、過去にその場所で地震が起きたと考えられます。現在も動いている断層は「活断層」と呼ばれます。
🧭 地層の調べ方
地層の中を調べるには次のような方法があります:
- ボーリング調査:地面に穴をあけて柱状の土(コア)を取り出して調べる
- 化石や岩石の観察:現地で直接地層を観察
また、地層の傾き(層理面の角度)も大事な情報です。
🧪 地層の実験や観察例
- 透明な容器に土・砂・泥・火山灰などを順番に入れて水を加え、人工地層を作る実験
- 砂場や粘土を使った断層やしゅう曲の再現実験
✅ まとめ
ポイント | 内容 |
---|---|
地層とは | 土や砂が何万年も積もってできた層 |
地層の重なり | 下ほど古く、上ほど新しい(累重の法則) |
示準化石 | 地層の年代がわかる化石 |
示相化石 | 過去の環境がわかる化石 |
断層・しゅう曲 | 地殻変動による地層の変形 |
地層からわかること | 気候、環境、地震や火山など過去の自然 |