中1地学②:地震の伝わり方と地球内部の働き
大地を揺らす地震について詳しく知ろう!
🌍 地震とは?
■ 地震の正体
地震とは、地下の岩盤(がんばん)が急にずれて、大きなゆれが発生する自然現象です。
このずれがおこる場所を震源(しんげん)、震源の直上を震央(しんおう)といいます。
震源は地下深いことが多く、日本周辺では10km~60kmが多いですが、小笠原諸島付近などでは深さ500km以上の地震が起こることもあります。
※200kmより深い地震を一般的に「深発地震(しんぱつじしん)」といいます(発展)。
■ どうして地震が起こるの?
地球の表面は「プレート」という大きな岩の板でできています。このプレートは少しずつ動いていて、
- ぶつかる(収束境界)
- すれちがう(発散境界)
- 引っぱられる(トランスフォーム境界)
などの動きによってエネルギーがたまり、限界をこえると急にずれて地震が発生します。
📈 地震のゆれの伝わり方
■ 地震波には2種類ある
地震が起きると、地震波(じしんは)と呼ばれるゆれが四方八方に伝わっていきます。主なものは次の2つ:
地震波 | 英語 | 特徴 | 伝わる速さ | 波の向き |
---|---|---|---|---|
P波 | Primary Wave | はじめに伝わる | はやい(秒速6~7km) | 縦波(押すような動き) |
S波 | Secondary Wave | P波のあとに伝わる | おそい(秒速3~4km) | 横波(ゆさぶる動き) |
📌 P波(Primary wave)は「初期微動(しょきびどう)」と呼ばれる小さなゆれ。
📌 S波(Secondary wave)は「主要動(しゅようどう)」と呼ばれる大きなゆれ。
📌 縦波≠縦揺れ。縦波・横波と揺れの向きは関係ない!
■ 初期微動継続時間とは?
P波が来てからS波が来るまでの時間のことを「初期微動継続時間(しょきびどうけいぞくじかん)」といい、これを使って震源までの距離を予想できます。
※高校ではP-S時間と呼ぶこともあるよ。
📌 例:「P波からS波までの時間が5秒」なら、震源までの距離は約40km(=5秒×8km)
👉 つまり、「S波はP波の約半分の速さ」で進むと考えると、1秒あたり8kmで距離を計算できる。
🌐 地球の内部構造
■ 地球はたまねぎのように何層にもなっている
地球は、内側から次の4つの層に分かれています:
層の名前 | 厚さ(だいたい) | 特ちょう |
---|---|---|
内核(ないかく) | 約1,200km | 固体・鉄やニッケル |
外核(がいかく) | 約2,200km | 液体・磁場のもと |
マントル | 約2,900km | 高温のかたい岩石(ゆっくり動いている) |
地殻(ちかく) | 約5~60km | 地球の表面・プレートの部分 |
📌 私たちが住んでいるのは、地殻のごく一部!
■ プレートとマントルの関係
地球の表面をおおっているプレートは、マントルのゆっくりした流れ(マントル対流)に乗って動いているのです。
この動きによって、
- 火山ができたり
- 地震が起きたり
- 大陸が動いたり(プレートテクトニクス)
という地球の大きな変化が起こります。
🧪 地震の観測と防災
■ 地震を記録する道具
- 地震計(じしんけい):ゆれの大きさや方向を記録する。
- 震度(しんど):ある場所でのゆれの強さ(0~7の10段階)*正式には「気象庁震度階級」
- マグニチュード:地震そのもののエネルギーの大きさ(M6.0 など)
📌 震度は「その場所での揺れの大きさ」、マグニチュードは「地震そのものの規模」
📌 マグニチュードが1大きくなると「約32倍」、2大きくなると「約1000倍」のエネルギーになる
📌 気象庁震度階級は0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の合計10段階
🔁 まとめ
内容 | ポイント |
---|---|
地震の原因 | プレートの動きによって地下にたまった力が急に解放される |
地震波の伝わり方 | P波(速い)とS波(遅い)の2種類がある |
地球の構造 | 地球は内核・外核・マントル・地殻からなる |
プレートと地震 | プレートの境目で地震や火山が起こりやすい |
地震観測 | 地震計でゆれを記録、震度とマグニチュードで強さを表す |
✏️ 発展ポイント(+α)
- プレート境界型地震:プレートがぶつかる場所で起きる(例:東日本大震災)。
- 内陸直下型地震:内陸で浅い震源が原因。都市部で被害が大きくなりやすい(例:阪神淡路大震災)。
- 地震による津波や液状化現象など、2次災害にも注意が必要。
- 最近は緊急地震速報などの技術で、数秒でも早く知らせるしくみがある。
- プレートテクトニクス:球の表面を覆う固い岩盤(プレート)がそれぞれ独立して動くことで、地震や火山などの地質現象が起こるという説で、アルフレート・ヴェーゲナーがの「大陸移動説」を説明するもの。
- 震度:震度には「気象庁震度階級(日本・10段階)」以外にも、台湾の「中央気象署震度階級(10段階)」や、アメリカなどで使う「改正メルカリ震度階級(12段階)」がある。気象庁震度階級は「計測震度」と呼ばれる数値をもとにするが、改正メルカリ震度階級は「被害の大きさ」が基準。
- マグニチュード:マグニチュードには「気象庁マグニチュード」や「モーメントマグニチュード」、「ローカルマグニチュード(リヒタースケール)」などがある。それぞれ特色が異なる。また、マグニチュードが1上がると正確には31.6倍(=10√10倍)になる。31.6×31.6をすると約1000になることがわかる((10√10)²=1000)。