推奨問題集・学習教材

地学の学習教材は、他の理科科目に比べて、その選択肢が限定的です。しかし、これは弱点ではなく、むしろ「迷う必要がない」という利点と捉えるべきです。勝利の鍵は、少数精鋭の良質な教材を、いかに深く、繰り返し使いこなすかにかかっています。ここでは、そのための最適な組み合わせと、その論理的な活用法を提示します。

【地学基礎】選択者向け

共通テストで高得点を狙うための、標準的なコースです。基本は「教科書」「資料集」「網羅系問題集」「過去問」の４点セットで万全です。

教科書＋資料集（例：「フォトサイエンス地学図録」数研出版）
これがすべての基本。教科書の文章と、資料集の図・写真を常に行き来し、知識をビジュアルと結びつける癖をつけよう。
網羅系問題集（例：「リードLightノート地学基礎」数研出版、「セミナー地学基礎」第一学習社）
教科書で理解した内容を、一問一答や基本問題で定着させるためのドリル。最低３周はくり返そう。
共通テスト対策問題集（例：「共通テスト総合問題集地学基礎」河合出版）
共通テスト特有の、長い文章や、初見の資料を読み解く「思考体力」と「時間配分」を鍛えるための実戦演習。
過去問
最高の予想問題集。大学入試センターのウェブサイトで、過去数年分は必ず解き、出題のクセをつかむこと。

【地学】選択者向け

二次試験まで見据えた、本格的な探究者向けのコースです。教材はさらに限られますが、その分、一冊一冊を「しゃぶり尽くす」覚悟が求められます。

教科書（「高等学校地学」啓林館）
専門科目「地学」の、唯一の教科書です。これが、君のバイブルとなります。隅から隅まで、全ての数式と図の意味を、論理的に説明できるようになるまで読み込んでください。
参考書兼問題集（「センサー地学」啓林館）
上記教科書に準拠した、唯一の網羅的な参考書兼問題集。教科書とセットで、常に携帯すべきです。
資料集（例：「フォトサイエンス地学図録」数研出版）
地学基礎と同様、必須の副読本です。
過去問
志望大学の過去問が、最高の教材であることは言うまでもありません。最低10年分は分析し、出題傾向を完全に把握してください。

【重要】さらなる実力向上のために
市販の問題集が少ない「地学」では、より質の高い問題に数多く触れることが、ライバルと差をつける鍵となります。以下の教材の活用を、強く推奨します。

地学オリンピック（日本地学オリンピック委員会）の過去問：思考力を問う、極めて良質な問題の宝庫です。公式サイトで公開されています。
理科検定（日本理科検定協会）の地学１級の問題：基本的な知識を、多角的な視点から問う問題が多く含まれます。