地学基礎の学習法：文系のための最強戦略

「地学基礎」は、文系受験生にとって、共通テストの理科基礎科目で高得点を狙える、極めて戦略的な選択肢です。物理基礎や化学基礎に比べて複雑な計算が少なく、社会科や地理で学ぶ知識との親和性も高い。暗記だけに頼らず、各現象の因果関係をストーリーとして理解することが、最小の努力で最大の結果を得るための鍵となります。

戦略①：「なぜ？」で繋げるストーリー記憶術

地学基礎は、独立した知識の寄せ集めではありません。「プレートが動く」→「だから地震や火山が起きる」→「だから日本の地形は険しい」というように、全ての事象は、壮大な因果関係の鎖でつながっています。単語をただ暗記するのではなく、常に「なぜ、そうなるのか？」を問いかけ、一つの「物語」として理解してください。

例えば、「西高東低」と「日本海側の大雪」を、ただのセットで覚えるんじゃなくて、「冷たく乾いた風が、暖かい日本海で水分を補給して、日本の背骨の山にぶつかって雪雲を作るから」という、一連の流れで理解するんだ！そうすれば、絶対に忘れないし、応用問題にも強くなるよ！

戦略②：図・グラフ・地図を「読む」訓練

共通テストの地学基礎は、知識を直接問う問題よりも、図やグラフ、地図といった資料を読み解き、そこから論理的に結論を導き出す問題が、圧倒的に多く出題されます。教科書や「ちがくナビ」に掲載されている、すべての図・グラフが、「何を」表し、「何を」意味しているのかを、自分の言葉で説明できるように訓練してください。

HR図：縦軸と横軸は何か？主系列星はどこか？右上にある星は、なぜ明るいのか？
プレート境界の模式図：どこでプレートが生まれ、どこで沈み込んでいるか？地震と火山のどちらが、どこで起きるか？
天気図：高気圧と低気圧はどこか？前線はどちらへ進むか？このあと、天気はどう変化するか？

戦略③：消去法を制する者が、共通テストを制す

地学基礎の正誤問題では、「明らかに間違っている選択肢」や「明らかに正しい選択肢」を、確実に見抜く力が求められます。そのためには、各単元の「最も重要なキーワード」と、その「定義」を、正確に理解しておくことが不可欠です。

例えば、「外核は液体である。なぜならS波が伝わらないから」「偏西風があるから、日本の天気は西から東へ変わる」といった、各単元の根幹をなす因果関係を、確固たる知識として定着させてください。それさえできていれば、多くの選択肢は、自信を持って判断できるはずです。