地学の学習法:理系のための探究戦略
コレクトによる戦略分析
専門科目としての「地学」は、物理・化学・生物・数学、すべての科学を総動員して、地球という複雑系システムに挑む、極めて高度な理系科目です。単なる知識の蓄積では、決して太刀打ちできません。現象の背後にある物理法則を理解し、それを数式という言語で表現し、自らの手で計算・導出する能力が、必須となります。
戦略①:数式を「文法」として理解する
地学に登場する数式(ケプラーの法則、シュテファン・ボルツマンの法則、津波の速度の式など)を、意味不明な記号の羅列として暗記してはいけません。それらはすべて、自然現象を記述するための、美しい「文法」です。「なぜ、その式が成り立つのか」という、物理的な意味や、導出過程を理解してください。
ちさまるのオススメ!
例えば、ケプラーの第3法則 \( P^2 = a^3 \) は、ただ覚えるだけじゃなくて、「惑星を太陽に引きつける万有引力が、惑星を円運動させる向心力として働いている」っていう、ニュートン力学の基本から導き出せるんだ! そこまで理解できると、ただの公式が、宇宙の壮大なルールに見えてくるよ!
戦略②:単位を手がかりに、物理量を支配する
地学の計算問題では、様々な物理量が登場します。その際、常に「単位」を意識する癖をつけてください。単位は、その物理量が、何と何から構成されているかを示す、最も重要なヒントです。
例えば、ハッブル定数 \(H_0\) の単位は [km/s/Mpc] です。これは、「1Mpcあたり、何km/sで後退しているか」という、速度を距離で割ったもの(=時間の逆数)であることを示しています。だからこそ、その逆数(\(1/H_0\))が、宇宙の年齢という「時間」を、おおよそ示すことになるのです。単位を制する者は、物理を制します。
戦略③:論述問題は、「因果関係」の構築作業である
二次試験で問われる論述問題は、知識の量を試しているのではありません。与えられた情報と、自分が持つ知識(物理法則)とを組み合わせ、「Aが起きた。なぜなら、Bという法則があるからだ。その結果、Cという現象が観測される」という、論理的な因果の連鎖を、いかに過不足なく、簡潔に記述できるか、という能力を試しています。
そのためには、日頃から、「ちがくナビ」のコレクトの解説のように、常に「なぜなら~」という接続詞を使い、現象の理由を説明する訓練を積んでください。それが、論述問題に対する、唯一にして最強の対策です。