🌋 地学が得意なあなたへ「大学受験で地学を使うべきか?」
大学受験を見据えて、理科科目の選択に迷っていませんか?
特に「地学が得意・好きだけど、物理や化学を選ばないとダメ?」と感じている人へ。
答えは、「戦略次第では地学は十分、受験で武器になる」です。
🌍 地学基礎・地学の特徴とは?
理系受験生にとって「地学」は特殊な立ち位置にあります。
なぜなら…
- 覚える量はやや多めだが、計算が少ない
- 文章・図・グラフを読み取る思考力を問う設問が多い
- 共通テストとの相性が良く、点が安定しやすい
- 理科の中でも差がつきにくい穴場科目
つまり、「理解力」「暗記力」「読解力」のバランスが良い人、
そして地学を楽しめる人にとっては、かなり有利に戦える科目なのです。
🌍 そもそも、地学基礎・地学とは?
地学は、地球や宇宙、気象や地震、地層など「自然のしくみ全体」を扱う理科です。他の理科(物理・化学・生物)に比べて、数学的計算はやや少なく、視覚的な理解や知識の整理がカギになります。
💡 地学を使うメリット
1. 共通テストで高得点を狙いやすい
地学基礎は問題の傾向が安定しており、知識+図や表の読み取りに慣れれば得点しやすいです。特に文系志望者にとっては、物理や化学より取り組みやすいという声も多くあります。
2. 暗記・理解重視で数学が苦手でも戦える
公式や理論よりも「自然現象の理解」と「図やグラフの読み取り力」が求められます。計算問題は限定的で、物理・化学よりも数学的処理が少ないため、数学が苦手な人にも向いています。
3. 教科書と図解の学習だけでも実力がつきやすい
地学は入試でも資料集や教科書に準じた問題が多く、学校教材を使った勉強だけでもかなりの対策になります。市販の参考書・問題集も比較的安価でそろいます。
4. 記述問題でも得点源にしやすい(特に国公立)
論述や記述問題では、理屈や因果関係を説明できれば点が取りやすいです。物理や化学のような計算過程ではなく、「自然の現象を自分の言葉で説明する力」が問われるため、対策も立てやすい傾向があります。
🌀 地学を選ぶ際の注意点・デメリット
1. 使える大学が限られることもある
特に理系学部では、地学が選択できない場合があります。看護・薬学・医学・工学系の一部では「物理+化学」や「生物+化学」が指定されていることがあるので、必ず受験予定大学の入試要項を確認しましょう。
2. 学校で授業がない場合もある
学校によっては「地学」や「地学基礎」の授業がないことも。独学で進める必要がある場合は、参考書・動画教材を活用する工夫が求められます。
3. 問題の情報処理量が多い(共テ)
地学基礎は、文章・図・グラフ・データなど情報量が多い問題が出やすく、慣れていないと読み取りに時間がかかることがあります。早めの練習がカギです。
4. 教科書だけでは対応が難しい分野も
→ 宇宙分野や天文計算など、一部は高度な理解が必要。適切な問題集や動画教材を選ぼう。
5. 共通テストの得点調整がない
→ 共通テストでは、受験者数が1万人未満の場合に得点調整がありません。令和7年度入試「地学基礎」受験者数は46,285人ですが、「地学」はわずか2,365人のため、20点以上の平均点差があっても得点調整は行われません。
🎯 どんな人が地学を選ぶと良い?
- 文系で、理科を共通テストだけで済ませたい人
- 理系でも、生物より地学に興味がある人
- 暗記や図解が得意で、論理的に説明するのが好きな人
- 宇宙・地震・天気など自然現象に興味がある人
- 他の理科が苦手で、違うアプローチで理科を攻略したい人
📚 地学の勉強法(共通テスト・地学選択者向け)
① 教科書の「図・仕組み中心」で理解せよ!
暗記科目と思われがちだが、仕組みの理解こそ最重要。
たとえば…
- 地震分野:P波・S波、震央距離計算、プレート境界の違いと地形の関係
- 気象分野:湿度計算、断熱変化、雲のでき方と気象図の読み取り
- 地層分野:示準化石/示相化石、整合・不整合の判別、柱状図の分析
- 宇宙分野:赤方偏移、ハッブルの法則、HR図と星の進化、スペクトル読解
🖊️ ポイント:教科書や資料集の図に、自分の言葉でメモを書き込む!
② 過去問・模試演習で「形式慣れ」+「時間管理」
共通テストでは限られた時間で大量の情報を処理する必要があります。
そのためにも、問題形式に慣れる訓練は必須。
- 過去問を分析して「定番パターン」を押さえる
- 模試では「時間配分」と「図表処理スピード」を意識
📝 結論:「自分の志望校・得意分野とマッチすれば、大きな得点源に!」
地学基礎・地学は、正しく選べばとても戦いやすく、得点しやすい教科です。しかし、全ての大学で使えるわけではないため、「志望校で選択可能かどうか」「学習環境があるかどうか」をしっかり確認してから選ぶのが大切です。
理科に苦手意識のある人にとって、地学は「隠れた味方」になることも。自分の特性や志望校と相談しながら、地学の可能性もぜひ検討してみてください。
🏫 地学が使える大学とは?
地学が使える大学は多くはありませんが、使える大学ももちろんあります。マナビジョンを用いて2025年に調査した結果(間違いがある可能性は高い)は、以下の通り。
共通テストで「地学基礎」「地学」が使える大学
大学 | 地学基礎 | 基礎なし地学 | 合計 |
---|---|---|---|
国公立 | 97 | 149 | 149 |
私立 | 1 | 51 | 51 |
合計 | 98 | 200 | 200 |
共通テストのみ利用の大学は13校程度(私立)
国公立大学では地学基礎・地学が使えることが多いかも
二次試験で「地学」が使える大学
大学 | 地学基礎のみ | 地学基礎+地学 |
---|---|---|
国公立 | 0 | 11 |
私立 | 0 | 2 |
合計 | 0 | 13 |
地学の使える難関大学の例
- 「東京一科」のうち、東大・京大。一橋と東京科学大は共テのみ
- 東京科学大は医学部・歯学部では共テでも使えないので注意
- TOCKY(筑波・お茶女・千葉・神戸・横国)では、筑波大・千葉大・神戸大は二次も地学受験可能(お茶女・横国は共テのみ)
- 「旧帝大」では唯一阪大は共テのみだが、それ以外は二次も地学受験可能!
- 早稲田大学の教育学部では地学受験が可能!
📌 「地学基礎」おすすめ教材
- リードLightノート地学基礎(数研出版)*セミナー地学基礎(第一学習社)も○
- 共通テスト総合問題集 地学基礎(河合出版)など*共テ問題集
- 「新課程 フォトサイエンス地学図録」(数研出版)*資料集!
- 実戦問題・過去問(国公立二次・私立理系対策)*最後は過去問を解きまくろう
📌 「地学」おすすめ教材
- 「高等学校 地学」(啓林館)*唯一の「基礎なし地学」教科書!
- 「センサー地学 3rd Edition」(啓林館)*唯一の「基礎なし地学」参考書!
- 「新課程 フォトサイエンス地学図録」(数研出版)*資料集!
- 実戦問題・過去問(国公立二次・私立理系対策)*最後は過去問を解きまくろう
- ※地学はあまり参考書がないので、「過去問」や「理科検定」、「地学オリンピック」の問題を活用しましょう。