高校地学基礎・地学

🪨地学⑧:地層分布と地層の連続、地質年代

🧭 単元の概要

この単元では、地球表層に見られる地層の分布や連続性断絶の原因、そして地質時代の区分とその決定方法について学びます。地層を通じて地球の歴史を「読む」ための基礎知識を身につけ、化石の重要性示準化石・示相化石の違い不整合の意味なども理解しましょう。

🗺️1. 地層分布と地層の連続性

🔸地層とは?

地層は、堆積物が地層面ごとに積み重なったもの。水や風によって運ばれた砂・泥・火山灰などが、時間と共に積み重なって岩石(堆積岩)になったものをさします。

地層は下にあるほど古く、上にあるほど新しい(地層累重の法則)。

🔸地層の連続性とは?

連続性とは、ある地層がある範囲で地質学的に連続してつながっていること。離れた場所でも、地層が同じ時代・同じ堆積環境に由来していれば、地層を“対比”できます。

🔍地層の対比の手がかり

⚠️地層の不連続(不整合)

連続性が失われた部分、つまり堆積が中断されていた時間の証拠を「不整合」といいます。

種類説明
平行不整合地層の上下で角度が同じだが、間に時間のギャップがある
傾斜不整合下位地層が傾いていて、その上に水平に地層が乗っている
非整合(侵食)下位の岩体が堆積岩ではなく、火成岩や変成岩などがむき出しになっていた痕跡

これらは、侵食や地殻変動によって堆積が中断された証拠です。地球史を読み解く上でとても重要です。

🐚2. 化石と地質年代の決定

🔸化石とは?

化石は、かつて生きていた生物の遺骸や痕跡が地層中に保存されたもの。地層の形成された年代環境を知る手がかりになる。

🔹示準化石と示相化石

種類 説明代表例
示準化石地層の年代を決める目安になる化石。短命かつ広域に分布する生物。三葉虫、フズリナ、アンモナイト、ナウマンゾウ
示相化石当時の環境(相)を示す化石。長く生きていたが限られた環境に分布。サンゴ(暖かく浅い海)、シジミ(湖・汽水域)

🧬生物年代と絶対年代

🔎代表的な放射年代測定法

同位体対半減期適用対象
U-Pb約45億年火成岩中のジルコンなど
K-Ar約12.5億年火山岩など
C-14約5730年新しい有機物(考古学向け)

🕰️3. 地質年代の区分と特徴

地球の歴史は、地質年代という時間軸で整理される。

🔸地質年代の区分(新しい順)

類・紀特徴
新生代(約6600万年前~)哺乳類・被子植物が繁栄、ヒトが現れる
中生代(約2億5200万~6600万年前)恐竜と裸子植物が繁栄、白亜紀末に大量絶滅
古生代(約5億4000万~2億5200万年前)三葉虫、フズリナなど海洋生物の繁栄、魚類・昆虫の出現
原生代以前地球形成と初期生命の誕生

※地質年代は示準化石や不整合面などの研究から定義され、時には変更されることもある。

🏞️4. 地層分布の意味と重要性

地層の連続性・不整合・化石・絶対年代測定を組み合わせることで、大陸移動、海進・海退、火山活動、気候変動、絶滅イベントなどの証拠がわかる。

たとえば、日本列島各地のナウマンゾウ化石の分布や、広域に分布する火山灰(鍵層)は、過去の環境変動を知る鍵。

✅受験チェックポイント

📌 示準化石と示相化石の違いを明確に説明できるか

📌 不整合の種類と形成要因を図とともに理解しているか

📌 化石を使った相対年代の決定法放射年代測定法の違いを説明できるか

📌 地質年代の順序(新→旧)と代表的な生物の繁栄時期を覚えているか

📌 地層の連続性と断絶(不整合)の地質学的意義を説明できるか

📌 火山灰層などの鍵層による広域対比の考え方を理解しているか