高校地学基礎・地学

🌍地学⑦:地表の変化と堆積

🔍単元の概要

この単元では、「地球の表面で起こるさまざまな地形の変化」と「それに伴う堆積作用」に注目します。風化・侵食・運搬・堆積といったプロセスがどのように地形を変え、地層や地質構造を形成するのかを学ぶことで、地球の歴史を読み解く手がかりとなります。また、地形と気候の関係、堆積物の種類や特徴も学習の中心です。

🪨1. 風化・侵食・運搬・堆積のサイクル

🧪風化とは?

風化とは、岩石が物理的・化学的・生物的作用によって分解・変質していく現象のことです。風化には以下の3種類があります:

🌊侵食・運搬・堆積

風化によって生じた物質(砕屑物)は、流水・風・氷河・重力などの働きによって運搬・侵食・堆積されます。

この一連のプロセスが、地形形成の根本的なメカニズムとなります。

🏞2. 地形とその形成過程

🏔河川による地形

特に日本では、急峻な地形が多いため、上流から下流への地形変化が短距離で見られるのが特徴です。

💨風による地形

🧊氷河による地形

🧱3. 堆積物と堆積岩

🪨堆積物の種類と粒径

種類粒径の目安
礫(れき)2mm以上河原の石など
砂(すな)0.063〜2mm砂浜の砂など
シルト0.004〜0.063mm池底、湖底の堆積物など
粘土(ねんど)0.004mm未満粘土質の土壌など

⛰堆積岩の分類と形成

堆積物が長い時間をかけて圧縮・固結すると堆積岩になります。主なものは以下の通り:

堆積岩主成分
礫岩河川堆積物
砂岩砂浜、河川中流域
泥岩シルト・粘土湖底、深海底など
石灰岩炭酸カルシウムサンゴ礁、石灰質プランクトン
チャート二酸化ケイ素放散虫や珪藻の殻
石炭植物遺体古代の湿地の植物由来

⛏4. 層理・クロスラミナ・化石など

📏層理とクロスラミナ

🐚化石と生痕

📚5. 地形と気候の関係

気候の違いは風化・侵食速度、運搬力、堆積の性質に影響を与えるため、地域の地形や地質と密接に関わっています。

✅受験チェックポイント!

1. 風化の3種類(物理・化学・生物)と具体例を区別して説明できるか?

2. 侵食・運搬・堆積の違いを明確に言えるか?

3. 堆積物の粒径分類と堆積岩の関係を覚えているか?

4. 代表的な堆積岩の成因と見られる場所を説明できるか?

5. 層理やクロスラミナの意味、示準化石・示相化石の違いを把握しているか?

6. 河川地形の変化(上流〜下流)を地図や断面図で説明できるか?

7. 気候帯ごとの特徴的な地形が理解できているか?

これらの現象は、地球が今も「生きている」ことを示す重要な証拠です。