🏔️地学⑥:造山帯、変成作用と変成岩
🔍単元の概要
この単元では、プレートの運動によって形成される造山帯(山脈や火山帯)、そして高温・高圧下で岩石が変化する変成作用とその結果生じる変成岩について学んでいきます。これらは、地球の内部活動がどのように地表の地形や岩石に影響を与えるのかを理解するうえで非常に重要です。では、さっそく学習していきましょう!
🌍1. 造山帯とは?
🔹造山帯の定義
造山帯とは、プレートの衝突や沈み込みによって山脈が形成される地帯です。造山活動が活発な地域は、地震・火山活動が多発することが特徴です。
🔹代表的な造山帯
造山帯の名前 | 主な位置 | 特徴 |
---|---|---|
アルプス・ヒマラヤ造山帯 | ヨーロッパ〜アジア南部 | 大陸プレート同士の衝突による |
環太平洋造山帯 | 太平洋周辺 | 海洋プレートの沈み込みによる活発な火山・地震活動 |
- ※環太平洋造山帯の主な地震:「チリ地震(1960年・M9.5)」、「東北地方太平洋沖地震(2011年・M9.0~9.1)」
✅受験チェックポイント
- 「アルプス・ヒマラヤ造山帯」「環太平洋造山帯」の成因の違いを理解する。
- どのプレートが関わっているかも押さえること(例:インドプレートとユーラシアプレート)。
🔥2. 造山運動のメカニズム
🔹プレート境界で起こる力学的作用
造山運動は主に以下の3つの場面で起こる:
1. 大陸プレート同士の衝突:ヒマラヤ山脈など
2. 海洋プレートの沈み込み:日本列島など
3. プレートのずれ(横ずれ断層):サンアンドレアス断層など
🔹付加体と前弧盆地
沈み込み帯では、海洋プレート上の堆積物が大陸プレートに削り取られて付け加えられる。これを付加体という。また、付加体の陸側には前弧盆地が形成され、堆積物がたまる。
🪨3. 変成作用と変成岩
🔹変成作用とは
変成作用とは、既存の岩石が高温・高圧の条件下で鉱物組成や構造を変えること。これによって生まれる新しい岩石を変成岩という。
変成作用には次のような種類がある:
種類 | 起こる場所 | 条件 | 代表的な変成岩 |
---|---|---|---|
広域変成作用 | プレートの衝突部など | 高温・高圧 | 結晶片岩、片麻岩など |
接触変成作用 | 火成岩体の周囲 | 高温・低圧 | ホルンフェルスなど |
動力変成作用 | 断層周辺 | 高圧・低温(ずれによる摩擦) | カタクレーサイトなど |
✅受験チェックポイント
- 「広域変成作用」と「接触変成作用」の発生条件と代表岩石を対比できるようにする。
- 「変成岩」の元になった岩石(原岩)との関係も覚えておくと◎。
🧱4. 代表的な変成岩と原岩の対応
原岩(もとの岩石) | 変成岩(変化後) | 変成作用の種類 |
---|---|---|
泥岩 | ホルンフェルス | 接触変成作用 |
泥岩・頁岩 | 結晶片岩 | 広域変成作用 |
花崗岩 | 片麻岩 | 広域変成作用 |
石灰岩 | 大理石(結晶質石灰岩) | 広域変成作用・接触変成作用 |
🧠ポイント
- 変成岩は鉱物の再結晶により粒子が大きくなるのが一般的。
- 片理(へんり)構造:鉱物が一定方向に並ぶ構造(例:結晶片岩)も重要語句。
🧭5. 日本列島における変成帯と地質構造
日本列島には以下のような代表的な変成帯が存在する:
地域 | 帯の名前 | 主な岩石・特徴 |
---|---|---|
四国・近畿 | 三波川変成帯 | 高圧型、結晶片岩など |
中部地方 | 黒瀬川帯 | 広域変成作用 |
📝まとめと受験対策ポイント
✅ 造山帯
- 造山帯には2種類あり、それぞれ成因が異なる。
- 付加体・前弧盆地・島弧などの地形との関係も重要。
✅ 変成作用と変成岩
- 広域変成作用と接触変成作用は場所と条件が異なる。
- 原岩と変成岩の対応を暗記する。
- 片麻岩・結晶片岩・ホルンフェルス・大理石など、代表岩石の見た目や構造も覚えておくと図表問題にも対応可能。
🎯【特に大事】頻出用語・覚えておきたいキーワード
- 造山帯
- 付加体
- 前弧盆地
- 広域変成作用 / 接触変成作用
- 変成岩(片麻岩・結晶片岩・ホルンフェルス・大理石)
- 原岩
- 片理構造