📊地学㊷:気象庁震度階級と改正メルカリ震度階級
🎯この単元の目的
- 地震の揺れの強さ(震度)と、地震そのものの規模(マグニチュード)との違いを理解する。
- 日本と世界で使用されている震度階級の特徴や評価方法の違いを学ぶ。
- 防災・減災の観点から、震度の意味と重要性を捉える。
💥1. 「震度」とは何か?
✅震度とマグニチュードの違い
比較項目 | 震度(Shindo) | マグニチュード(Magnitude) |
---|---|---|
意味 | 地震によるゆれの強さ(体感・被害) | 地震のエネルギーの大きさ |
測定場所 | 観測地点ごとに異なる | 地震全体で1つだけ |
単位 | 数値(例:震度5弱) | 数値(例:M6.5) |
影響要因 | 震源の深さ、地盤、建物など | 断層の長さやずれの大きさ |
📌震度は局地的現象、マグニチュードは地震の根本的規模。
🇯🇵2. 日本の震度階級:気象庁震度階級(現在)
🏢震度階級の特徴
- 現在は計測震度(計器による観測)を元に自動算出
- 震度0〜7までの10段階
- 特に5弱・5強・6弱・6強の細分化が日本独自
📊震度階級の一覧(要約)
震度 | 揺れの特徴 | 被害の目安 |
---|---|---|
0 | 感知できない | 被害なし |
1 | ごくわずかに感じる | 被害なし |
2 | 軽く揺れる | 一部人が感じる程度 |
3 | やや強く揺れる | 吊り下げ物が揺れる |
4 | 多くの人が感じる | 棚の物が落ちることも |
5弱 | 家具が動く、驚いて外に出る人も | 軽微な建物被害 |
5強 | 倒れる家具あり、恐怖を感じる | 壁に亀裂、ガラス割れなど |
6弱 | 立っていられない、棚が倒れる | 木造建物に傾き・崩壊の危険 |
6強 | 這わないと動けない | 家屋倒壊が多く発生 |
7 | 極めて激しい揺れ | 広範囲に壊滅的な被害 |
📌 震度は「その地点での揺れの強さ」を示す!
🌍3. 世界の震度:改正メルカリ震度階級
📖改正メルカリ震度階級(Modified Mercalli Intensity, MMI)
- アメリカやヨーロッパ諸国を中心に使用
- 12段階(I〜XII)で、体感・被害によって分類
- 現在でも、アメリカ地質調査所(USGS)の災害速報などで使用
🗂️改正メルカリ震度階級の一部抜粋
MMI階級 | 揺れの感覚 | 被害例 |
---|---|---|
I | 感知されない | なし |
III | 室内の少数の人が感じる | 吊り下げ物がわずかに揺れる |
V | 多くの人が驚く、食器など落ちる | わずかに建物被害も |
VII | 人が立てない、家具移動 | 壁に亀裂、小規模倒壊 |
IX | 建物の構造に深刻な損傷 | 一部倒壊の可能性 |
XII | 全てが壊れる、壊滅的状況 | 橋・トンネルも崩壊の恐れ |
📌 人間の「体感・被害報告に基づく」階級
🧪4. 計測震度の導入と技術的特徴
- 1996年から気象庁は計測震度を採用
- 三方向の加速度を合成し、「最大加速度・持続時間・周期特性」などから算出
- 震度計は全国約4400か所に設置(2025年現在)
- 地震発生数十秒以内に震度速報が可能
💡 防災・速報の精度向上に重要な役割を果たしている!
✅受験チェックポイント
📌 震度とマグニチュードの違い(「被害」と「規模」)
📌 気象庁震度階級は10段階(震度5と6に「弱・強」あり)
📌 改正メルカリ震度階級は12段階(ローマ数字でI〜XII)
📌 日本は計測震度を使用 → センサーとアルゴリズムで自動評価
📌 震度分布図は、地震の影響を面的に把握するために重要!
📘重要語句まとめ
- 震度/マグニチュード
- 計測震度/体感震度
- 気象庁震度階級(0〜7)
- 改正メルカリ震度階級(I〜XII)
- 地震動/最大加速度/周期特性
- 地震計/震度計/震度速報