📜地学㊶:地学史
🎯この単元の目的
- 地学における主要な理論や発見がどのように生まれたかを学ぶ。
- 地質学・天文学・気象学などの各分野の発展過程を理解する。
- 自然観の変遷とそれに伴う科学的思考の発展に注目する。
🏛️1. 地学のはじまり ― 自然観から科学へ
🌍 古代~中世
時代 | 人物・文化圏 | 主な内容 |
---|---|---|
紀元前6世紀ごろ | ギリシャ(タレス、アナクシマンドロス) | 自然現象を神話でなく理性で説明しようとする試み |
紀元前4世紀 | アリストテレス | 「地球は球形」と主張、宇宙は地球中心説(天動説) |
中世ヨーロッパ | プトレマイオス | 地球中心の宇宙モデルを体系化(プトレマイオスの宇宙論) |
中世イスラム世界 | アル・ビールーニーら | 天文観測・地球の大きさの測定などで地学の基礎に貢献 |
🔭2. 科学革命と天動説の崩壊
🚀 16〜17世紀:近代科学の始まり
人物 | 業績 | 地学への影響 |
---|---|---|
コペルニクス | 地動説を提唱 | 宇宙観の大転換(地球も天体の一つと見なす) |
ガリレオ・ガリレイ | 望遠鏡による観測、慣性の法則 | 月の表面の凸凹や木星の衛星を発見 |
ケプラー | 惑星の運動法則 | 楕円軌道を提唱し、天動説を否定 |
ニュートン | 万有引力の法則 | 地球の運動や潮汐などを力学的に説明 |
📌 地学が「観測と数学に基づく自然科学」として成立し始める!
🪨3. 地質学の成立と進展
⛏️ 18〜19世紀
人物 | 理論 | 内容 |
---|---|---|
ハットン(英) | 斉一説(ユニフォーミタリアニズム) | 「現在の地質作用が過去も起きていた」→深い地質時間の概念 |
スミス(英) | 層序学・化石の指標化 | 地層により地質時代を区分し、地図化する基礎を築く |
リエル(英) | 『地質学原理』 | ハットンの斉一説を一般化し、現代地質学の基盤に |
ダーウィン(英) | 進化論 | 生物進化と地質時代のつながりを示す |
🧠 時間・地層・化石の組み合わせによって地球史の解明が始まる。
🌋4. プレートテクトニクスへの道
🌐 20世紀:現代地球科学の統合
段階 | 内容 |
---|---|
🌊 海底拡大説(1960年代) | 海嶺で新しい地殻が生まれ、海溝で沈み込むという考え方 |
🧲 地磁気縞模様の発見 | 海底の岩石に記録された磁場が示す対称的な縞模様が証拠に |
🧊 大陸移動説(ウェゲナー) | 古生物分布・地形の一致などを根拠に大陸の移動を主張(当初は否定) |
🧩 プレートテクトニクスの成立 | 大陸と海洋底を含むプレートが移動しているとする理論が確立(1960~70年代) |
📌 プレート理論は、火山・地震・造山運動などを統一的に説明するパラダイム!
☁️5. 気象学・天文学・地球物理学の進展
分野 | 主な進展 | 現代とのつながり |
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気象学 | 19世紀:気圧・気温・風向の測定、天気図の発明 | 数値予報・気象衛星による観測へ |
地球物理学 | 地震波の解析 → 地球内部構造の解明 | プレート境界やマントル対流の理解に貢献 |
天文学 | ハッブルの膨張宇宙の発見(1920年代) | ビッグバン宇宙論の確立へ |
宇宙探査 | 人工衛星・探査機による太陽系天体の調査 | 地球を宇宙の一部として捉える視点が深化 |
✅受験チェックポイント
📌 コペルニクス〜ニュートンに至る天動説から地動説への変化
📌 ハットンの斉一説と深い地質時間の概念
📌 プレートテクトニクス成立の流れ(ウェゲナー→海底拡大→地磁気→確立)
📌 気象・地震・天文学の近代的発展
📌 地球が「変化する惑星」として理解されてきた過程
📘重要語句まとめ
- 天動説/地動説
- 斉一説(ユニフォーミタリアニズム)
- 層序学/化石/地質時代
- 大陸移動説/プレートテクトニクス
- 海底拡大説/地磁気縞模様
- ニュートン力学/天体観測
- 数値予報/宇宙探査