🏞️地学㊳:中国・四国地方の地質の特徴
🎯この単元の目的
- 中国・四国地方の地質構造・岩石分布を理解する。
- 地形や地質の違いが自然災害・土地利用にどう関係するか説明できるようにする。
- 中央構造線など大断層との関わりを理解する。
🗺️1. 地質構造の概要
中国・四国地方は、西南日本に属し、中央構造線を境界に大きく性質が異なる地域です。
地域区分 | 主な特徴 |
---|---|
中国山地 | 古い地質が多く、花崗岩や変成岩が広く分布。侵食によりなだらかな山地地形。 |
四国山地 | 中央構造線沿いに形成された付加体起源の地質構造。褶曲・断層が多い。 |
瀬戸内地方 | 内帯にあたり、地震が比較的少なく、安定した地盤。人口・産業が集中。 |
📌 地質の安定性と人間活動(都市化・交通網など)の関係が強い地域!
🧱2. 中国山地:花崗岩と風化地形
- 花崗岩(白亜紀)が広く分布(例:広島・岡山・島根東部など)
- 花崗岩の風化 → 真砂土(まさど)を形成
- 山地は侵食が進み、円頂丘・準平原状のなだらかな地形が広がる
→ 保水力が低く、崩壊や土砂流出の原因に
🧭3. 四国山地と中央構造線
🔹中央構造線断層帯(MCL: Median Tectonic Line)
- 日本最大の断層系(西は大分から東は関東まで続く)
- 四国山地を縦断し、内帯(北側)と外帯(南側)を分ける
- 活断層としての活動もあり、地震リスクに注意が必要(例:南海トラフ地震との関係)
🔸四国の付加体
- 南側(外帯)は四万十帯・秩父帯などの付加体が分布
- 鋸歯状に褶曲した堆積岩・変成岩 → 地滑りや急傾斜地に注意
→ 海洋プレートの沈み込みによって形成された複雑な地層構造
🌅4. 瀬戸内地方の特徴
- 比較的地震・火山活動が少ない内陸性地域(安定陸塊)
- 平野や盆地(岡山平野・広島盆地など)が発達し、古くから都市・農業・港湾が発展
- 地盤が安定しているため、原子力発電所や工業団地が立地しやすい
🏔️5. 活断層と地震
- 活断層は少ないが、完全に地震がないわけではない
- 例:芸予地震(2001年)→ 瀬戸内海西部を震源とする直下型地震
- 中央構造線沿いの活動にも注意が必要(例:伊予灘地震)
📌「地震が少ない」≠「地震が起きない」ことに注意!
🧪6. 地質と産業の関係
地質要素 | 利用・影響 |
---|---|
花崗岩(真砂土) | 風化土壌 → 水はけがよく、果樹栽培に適する(例:ぶどう・もも) |
地盤の安定性 | 瀬戸内工業地域の発展、原子力・製鉄所の立地に寄与 |
地形・地質の多様性 | 鉱山(別子銅山など)、水力発電への活用 |
✅受験チェックポイント
📌 中央構造線の位置・意味(日本最大の活断層系)
📌 花崗岩の分布と真砂土の性質
📌 付加体の地質構造(四国南部)
📌 地盤の安定性と都市・産業との関係
📌 芸予地震など、過去の直下型地震の例
📖用語確認(重要語句)
- 中央構造線(MCL)
- 花崗岩・真砂土
- 付加体(四万十帯・秩父帯)
- 安定陸塊
- 芸予地震・伊予灘地震