⛰️地学㊱:中部地方の地質の特徴
🎯この単元の目的
- 中部地方の地質構造の特色を把握する。
- フォッサマグナと糸魚川–静岡構造線(F–S線)の重要性を理解する。
- プレート境界に由来する地形・活断層・地震との関係を知る。
🗾1. 地形と地質の大枠
中部地方は、次の3つの構造区に大きく分かれます。
地質構造区 | 主な地形・特徴 |
---|---|
西南日本外帯(中央構造線以西) | 古生代~中生代の付加体。飛騨外縁帯など。 |
フォッサマグナ地域(中央日本) | 第三紀以降の堆積層・火山岩が厚く堆積。糸魚川–静岡構造線で西縁を区切る。 |
東北日本弧の南部 | 東日本と共通の新第三紀堆積層が広がる。阿武隈構造線が東縁。 |
🧭2. フォッサマグナとは?
🔸フォッサマグナ(Fossa Magna)
- ラテン語で「大きな溝」。本州を東西に分ける大地溝帯状の構造域。
- 西縁:糸魚川–静岡構造線
- 東縁:柏崎–千葉構造線(不明瞭)
特徴
- 第三紀以降の堆積岩・火山岩類が分布(新潟・長野・山梨・静岡など)
- 多くの活断層・火山・温泉が集中
- プレート境界に近く、地殻変動が非常に活発
📌 フォッサマグナは「地質的な境界」であり、中央構造線とは異なる!
🗻3. 日本アルプスとその地質
⛰️日本アルプス(三大山脈)
山脈名 | 地質的特徴 |
---|---|
北アルプス(飛騨山脈) | 古生代の変成岩・花崗岩が露出(飛騨帯) |
中央アルプス(木曽山脈) | 中生代の深成岩・断層活動で隆起 |
南アルプス(赤石山脈) | 新第三紀の付加体・隆起変動が活発(赤石構造帯) |
🌋 アルプスの形成は新生代の急激な隆起活動による。現在も活断層による変動が継続中。
🔥4. 火山活動と地熱
中部地方には活発な火山活動が見られます。
- 代表的な火山:浅間山、御嶽山、焼岳、白山、乗鞍岳、八ヶ岳など
- 火山岩は安山岩〜デイサイト質が多く、火砕流堆積物や火山灰層も豊富
- 地熱資源や温泉地も多数(例:草津温泉、白骨温泉など)
🧱5. 活断層と地震活動
- 糸魚川–静岡構造線断層帯は日本最大級の活断層帯
- 濃尾断層帯・阿寺断層帯・伊那断層帯など多数の断層が存在
- 1891年 濃尾地震(M8.0):日本内陸部最大級の直下型地震
📌 中部地方は内陸直下型地震のリスクが高い地域。断層分布と活火山帯が重なっている。
🧭6. プレートと地質活動の関係
- フォッサマグナ地域はユーラシアプレートの変形域
- 太平洋プレート・フィリピン海プレートの収束点に近く、隆起・沈降が激しい
- 活断層・火山・温泉・地震はすべてプレート運動の結果
✅受験チェックポイント
📌 フォッサマグナと糸魚川–静岡構造線の位置と意味
📌 飛騨帯・赤石構造帯などの地質名を地名とともに記憶
📌 日本アルプスは新生代の隆起によって形成
📌 火山活動と関連する火山岩・堆積物に注目
📌 内陸直下型地震 → 活断層の分布と地震の発生例を押さえる
📖用語確認(重要語句)
- フォッサマグナ
- 糸魚川–静岡構造線
- 飛騨帯・赤石構造帯
- 活断層(濃尾断層帯など)
- 火砕流堆積物
- 地熱資源