🏔️地学㉟:東北地方の地質の特徴
🎯この単元の目的
- 東北地方の地形・地質帯・火山・地震活動を理解する。
- 地質構造とプレートの動きの関係を把握する。
🗺️1. 地形区と全体構造
東北地方は、南北に細長い構造をもち、3本の大きな地形帯に分けられます。
地形帯 | 主な特徴 |
---|---|
日本海側の山地(奥羽山脈西側) | 褶曲・変成岩、古い火成岩が分布(出羽丘陵など) |
中央部(奥羽山脈) | 活火山が連なる火山帯。背弧海盆が関係 |
太平洋側の丘陵地 | 活断層が多い。海溝型地震と関連が深い |
🌍2. プレートと地質の関係
東北地方のプレート構造
- 東から【太平洋プレート】が【北アメリカプレート】の下に沈み込む
→ 沈み込み帯に沿って火山フロント(奥羽山脈)が形成
→ 沈み込みの影響で、海溝型地震やスラブ起源の火山活動が発生
📌 例:2011年 東北地方太平洋沖地震(M9.0)はこのプレート境界で発生
🌋3. 火山活動と火山岩類
🔥火山の分布(奥羽火山帯)
- 秋田駒ヶ岳、岩手山、蔵王山、吾妻山、鳥海山 など
- 主に安山岩質〜デイサイト質の成層火山が多い
- 活火山が多く、火山灰や温泉の資源とも密接
🪨 火山岩類としては、以下が重要:
火山岩類 | 備考 |
---|---|
安山岩・デイサイト | 成層火山の主要構成 |
火砕流堆積物 | 噴火の規模や過去の火山活動の手がかり |
火山灰層 | 地層の年代決定に有用(例:アカホヤ火山灰など) |
🧱4. 地質帯の構成と地史的背景
東北地方は、東北日本弧の典型例として以下の地質帯が連なる:
地質帯 | 特徴 |
---|---|
古第三紀の堆積岩帯(白亜紀〜新第三紀) | 太平洋側の陸棚堆積物 |
奥羽脊梁山地の火成岩帯 | 新第三紀以降の火山岩が多数堆積 |
出羽山地・阿武隈高地 | 古い変成岩・花崗岩が露出する内帯域 |
🔁 これは、過去の背弧海盆の拡大・沈み込み・隆起などを反映
🧠5. 活断層と地震活動
- 内陸部には逆断層・横ずれ断層が多数(例:直下型地震の震源)
- 東北地方太平洋側 → 海溝型巨大地震が周期的に発生
- 地震活動とともに地殻変動・津波の発生も重要テーマ
🌱6. 自然災害・資源と関連
- 地震や火山災害の危険性が高い → 地質調査・防災対策が重要
- 地熱資源や温泉、鉱山(花岡岩体に伴う鉱床)など、地質資源の宝庫
- 過去の津波堆積物 → 長期的な災害予測に利用可能
✅受験チェックポイント
📌 太平洋プレートの沈み込み → 海溝型地震・火山活動の要因
📌 奥羽山脈は火山フロントに沿う → 火山帯の典型構造
📌 地質帯は変成岩~新第三紀堆積岩・火山岩まで多様
📌 地震・津波・火山 → すべてプレート境界活動と密接に関連
📌 活断層・火砕流堆積物などの具体例を地名つきで覚える
📖用語確認(重要語句)
- 火山フロント
- 火砕流堆積物
- 背弧海盆
- プレート沈み込み
- 活断層(例:長町-利府断層帯)
- 津波堆積物