🗾地学㉞:関東地方の地質の特徴
🎯この単元の目的
- 関東地方の地形・地質構造・地下の動きを理解する。
- 火山活動・堆積構造・プレート境界などと関係づけて考察する。
🧭1. 地形区分と全体構造
関東地方は、主に以下の4つの地形区に大きく分けられます。
地形区 | 特徴 |
---|---|
関東山地 | 西部。古い変成岩・火成岩。秩父帯など。 |
関東平野 | 東部。関東盆地とも呼ばれ、厚い堆積層。 |
足尾山地・筑波山地 | 北部~東部境界に分布。古生代~中生代の岩石。 |
伊豆・箱根・房総半島 | 海洋プレート起源の付加体や火山活動。複雑な変動帯。 |
🌋2. 地質構造とプレートの影響
🔽4枚のプレートが集まる!
関東地方の地下には以下の4プレートが関与:
- 【①】北アメリカプレート(本州北部・内陸側)
- 【②】フィリピン海プレート(南方から沈み込み)
- 【③】太平洋プレート(東から沈み込み)
- 【④】ユーラシアプレート(西日本方面)
→ これにより、複雑な沈み込み帯や断層、変動構造が発達。
🔄結果:地質の多様性と地震・火山活動が集中
- 南関東ではフィリピン海プレートの沈み込みで隆起や断層活動が活発
- 下総台地や房総丘陵は付加体由来の地層
- 箱根・伊豆半島は海洋プレートの火山弧・付加体で構成
🏞3. 関東平野(関東盆地)の堆積構造
🧱堆積厚がスゴイ!
- 関東平野の下には数千mにもおよぶ堆積層(中新世~第四紀)
- 地層の主な構成:
* 下部:海成層(東京層、上総層群など)
* 上部:河川・扇状地・三角州性の陸成層
🧨なぜ堆積する?
- フィリピン海プレートの沈み込みによる盆地形成(沈降運動)
- 火山灰の供給(例:箱根、浅間など)
- 関東山地などからの侵食物質が運ばれる
🌋4. 火山と断層
要素 | 内容 |
---|---|
火山分布 | 箱根火山、浅間山、伊豆諸島など → フィリピン海プレートの沈み込みに伴う |
活断層 | 立川断層、綾瀬川断層など。関東盆地の周辺に集中 |
火山灰層 | 多摩ローム層など。過去の火山活動を記録 |
🧠5. 地質の特徴と活用
- 地質構造をもとに、地盤沈下や地震被害の予測が可能
- 火山灰層から、古環境や年代の推定も行われる
- 温泉分布や地下水の流れも、地質構造に深く関係
✅受験チェックポイント
📌 4枚のプレートが集まる → 地震・火山活動が集中
📌 関東平野の地層は厚く、新第三紀以降の堆積層が主
📌 房総半島や伊豆は付加体・海洋プレート起源
📌 箱根・浅間・伊豆 → 代表的火山
📌 火山灰(ローム層)や活断層分布と防災との関連
📖用語確認(重要語句)
- 付加体
- プレート境界
- 関東盆地
- ローム層
- 立川断層・綾瀬川断層