🌌地学㉘:様々な銀河
🌠 単元の概要
宇宙には銀河系のような天体の集団が数千億個以上存在すると考えられています。
それぞれの銀河は形・構造・性質が異なり、宇宙の構造や進化を理解する手がかりとなります。
🌀1. 銀河の基本的な種類
銀河は形状や構造により、以下のように分類されます(ハッブル分類):
分類 | 例 | 主な特徴 |
---|---|---|
🌪 渦巻銀河(Sp) | 銀河系、アンドロメダ銀河 | 円盤状+渦巻き構造、若い星が多い、星形成が活発 |
🌀 棒渦巻銀河(SB) | NGC 1300 | 中心に棒状構造+渦巻き腕、銀河系もこれに該当 |
🥚 楕円銀河(E0~E7) | M87など | 球状または楕円形、老齢の星が多く、星形成はほとんどない |
🌌 不規則銀河(Irr) | 大マゼラン雲、小マゼラン雲 | 明確な形がなく、星形成が活発 |
> 💡ハッブル分類図は「ハッブルの音叉図(チューニングフォーク図)」として知られ、銀河の形態分類を視覚的に表現。
🧬2. 銀河の進化と構造的特徴
- 渦巻銀河→楕円銀河への進化があると考えられていたが、現在は単純な進化ではなく、銀河同士の衝突・合体による変化が重視されている。
- 銀河の形状や構造は以下に影響される:
* 質量や回転速度
* 周囲の銀河や銀河団との関係
* 星形成活動やガスの量
🌠3. 銀河団と超銀河団
- 銀河は単独で存在することは少なく、複数が集まり「銀河団」や「超銀河団」を形成
- 例:
* おとめ座銀河団(銀河系が属する局部銀河群の近隣にある)
* 局部銀河群(Local Group):銀河系、アンドロメダ銀河、大マゼラン雲などで構成
- 銀河団内では重力相互作用が銀河の構造に影響を与える(衝突・合体・ガスの流出など)
☄️4. 銀河同士の衝突と合体
- 銀河の衝突や合体は宇宙の進化で頻繁に起こる
- 恒星同士は距離が大きいため直接衝突することは少ないが、重力的な相互作用で形状が変形し、新しい星が生まれる(スターバースト)
- 合体の結果として楕円銀河や巨大銀河が形成されることがある
🔭5. 観測技術と遠方銀河
- 遠方の銀河ほど宇宙初期の情報を持つ
- ハッブル宇宙望遠鏡やジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)によって、数十億光年彼方の銀河の観測が可能に
- 遠方銀河ほど赤方偏移が大きく、膨張宇宙の証拠ともなる
🗺️6. 宇宙の大規模構造(ボーナス)
- 銀河や銀河団はフィラメント状に分布し、巨大な「宇宙の網目構造(cosmic web)」を形成
- 大規模空洞(ボイド)や超銀河団などが観測されており、宇宙全体が網目のように構成されていることが分かってきている
✅受験チェックポイント
📌 渦巻銀河・楕円銀河・不規則銀河の特徴と違い
📌 銀河団・局部銀河群・銀河の合体の影響
📌 ハッブル分類(ハッブルの音叉図)
📌 銀河の衝突とスターバースト
📌 赤方偏移と遠方銀河の観測意義