🌌地学㉗:銀河系の構造
🌠 単元の概要
銀河系(天の川銀河)は、多数の恒星や星間物質、暗黒物質などが重力で束縛された巨大な星の集団です。
私たちの太陽系はその中の一部に位置しており、銀河系の構造を知ることは、自分たちの宇宙での位置を理解する鍵となります。
🌟1. 銀河系(天の川銀河)とは
- 直径:約10万光年、厚さ:約1,000光年の円盤状の星の集団
- 恒星の数:約2,000億個以上
- 太陽系は、銀河中心から約2.5万光年の位置にある
- 夜空に見える「天の川」は、銀河円盤を内側から見た光の帯
🌀2. 銀河系の構造
銀河系は以下の部分から構成される:
部分名 | 概要 | 主な天体・特徴 |
---|---|---|
🌟バルジ(中心部) | 銀河中心にある球状の領域 | 老齢の恒星が多い、中心に超大質量ブラックホール |
💿円盤部 | 薄く広がる円盤状領域 | 恒星・ガス・塵・若い星が多い、渦巻腕(スパイラルアーム)がある |
🌌ハロー | 銀河全体を包む球状の広がり | 古い恒星、球状星団、多くの暗黒物質が含まれる |
🕳中心核 | 銀河の重力中心 | いて座A*(エースター)と呼ばれる超大質量ブラックホールが存在する可能性が高い |
🌍3. 太陽系の位置と運動
- 太陽系は円盤部の一部、「オリオン腕」付近に位置
- 銀河系を秒速約220kmで公転中(銀河1周に約2.3億年)
- この運動は「銀河年(galactic year)」とも呼ばれる
🧲4. 銀河系と天体の分布
🌌恒星の分布
- バルジ・円盤部:恒星が密集(特に若い星は円盤に多い)
- ハロー:古い恒星や球状星団がまばらに存在
💠球状星団と散開星団
分類 | 特徴 | 分布 |
---|---|---|
🟡球状星団 | 数万~数百万個の古い星の集団 | 銀河のハローに分布 |
🔵散開星団 | 数十~数千個の若い星の集団 | 銀河円盤部に多く分布 |
🕳5. 銀河中心のブラックホール
- 銀河の中心には超大質量ブラックホール(SMBH)が存在する可能性が非常に高い
- 銀河系では「いて座A\*(エースター)」という強い電波源が検出されており、その正体がブラックホールと考えられている
🔭6. 銀河系の観測とその難しさ
- 私たちは銀河系の内側にいるため、構造を直接全体として見ることはできない
- 赤外線・電波観測により、塵に隠れた構造を明らかにしている
- GAIA(ガイア)探査機などによる恒星の位置・運動の精密測定で構造が徐々に解明されつつある
✅受験チェックポイント
📌 銀河系の直径・構造・太陽系の位置
📌 バルジ・円盤・ハローの違いと特徴
📌 散開星団と球状星団の比較
📌 銀河系中心の超大質量ブラックホールの存在
📌 観測が難しい理由と観測手法(赤外線・電波など)