☀️地学㉔:太陽の活動
🔭 単元の概要
太陽は私たちにとって最も身近な恒星であり、その活動は地球の気候・通信・生物活動に大きな影響を与えます。
本単元では、太陽の構造・エネルギー生成・表面活動について理解していきます。特に黒点・フレア・コロナ・太陽風のメカニズムと影響に注目してみましょう。
🔥1. 太陽の内部構造とエネルギー源
太陽は主に水素(約74%)とヘリウム(約24%)から成り、質量の99.8%を占める太陽系最大の天体。
🔸 太陽内部の層構造(内側→外側)
層 | 特徴 |
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核(コア) | 約1500万K、水素の核融合(pp連鎖)が起こり、膨大なエネルギーを放出 |
放射層 | エネルギーが放射により徐々に外に伝わる(数万年かかる) |
対流層 | エネルギーが対流によって表面へ伝わる。対流模様が観測される |
✅ エネルギー源:
→ 核融合反応「水素4個 → ヘリウム1個 + エネルギー」
→ 質量の欠損がE = mc²でエネルギーに変換
🌞2. 太陽の表面と大気構造
🔹 光球(photosphere)
- 太陽の「表面」と見える部分(約6000K)
- 黒点や粒状斑(グラニュール)を観測できる
🔹 彩層(chromosphere)
- 光球の上層・赤っぽく見える
- プロミネンス(紅炎)やスピキュールが発生
🔹 コロナ(corona)
- 太陽の最外層・白く拡がる
- 約100万Kの高温(→なぜ高温かは未解明)
- 日食時や紫外線・X線観測で見える
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⚫️3. 太陽の活動現象
🌑① 黒点(sunspot)
- 光球上の温度が低く暗い部分(約4000K)
- 強い磁場の影響で対流が抑制されることで形成
- 数や分布は約11年周期で変化(太陽活動周期)
🌋② フレア(flare)
- 黒点付近での爆発的なエネルギー放出(X線・紫外線など)
- 突然起き、数分〜数時間で終了
- 通信障害・電離層の撹乱・放射線障害などを引き起こす
🌪️③ コロナ質量放出(CME)
- コロナの一部が大量のプラズマとして宇宙空間に放出される
- 地球に到達すると磁気嵐・オーロラ・通信障害などを引き起こす
💨④ 太陽風(solar wind)
- 太陽から常時放出されている荷電粒子の流れ
- 地球の磁気圏に影響し、オーロラや磁気嵐の原因となる
🌌4. 太陽活動と地球への影響
太陽現象 | 地球への影響例 |
---|---|
フレア | 通信障害・放射線被ばく(人工衛星・宇宙飛行士) |
CME | 磁気嵐・オーロラ・送電網の障害・GPS誤作動 |
太陽風 | 磁気圏圧縮・放射線帯変動・オーロラ出現 |
🧲 磁気嵐:CMEやフレア由来の高エネルギー粒子が地球の磁場に作用することで発生
🌈 オーロラ:太陽風中の粒子が極地の大気中原子に衝突して発光
📊5. 太陽活動周期と観測
- 約11年周期で黒点数が変動(=太陽活動の指標)
- 活動最大期ではフレアやCMEが頻発
- 地上観測(可視光)・宇宙望遠鏡(紫外線・X線)で観測される
✅受験チェックポイント
📌 太陽の内部構造(核・放射層・対流層)の役割
📌 核融合反応のしくみとエネルギーの放出原理(E = mc²)
📌 黒点・フレア・CME・太陽風の特徴と地球への影響
📌 太陽の表層構造(光球・彩層・コロナ)の温度や観測方法
📌 太陽活動周期と黒点数の関係