🧑🔬地学㉑:人間の活動と地球環境
🌍 単元の概要
人間の産業・農業・生活活動は、地球の物質循環やエネルギー収支に大きな影響を与えています。
この単元では、地球温暖化・オゾン層破壊・酸性雨・海洋汚染・生物多様性の減少などの現代的課題と、その背景・仕組み・対策を理解しましょう。
🔥1. 地球温暖化の進行
📈原因:温室効果ガスの人為的増加
温室効果ガス | 主な排出源 |
---|---|
CO2(二酸化炭素) | 化石燃料の燃焼(発電・輸送・工業) |
CH4(メタン) | 家畜の腸内発酵、水田、埋立地 |
N2O(一酸化二窒素) | 肥料の使用、工業的化学反応 |
フロン類(CFCなど) | 冷媒、スプレー(→オゾン層破壊も) |
📌 CO2の大気中濃度は産業革命前の約280 ppm → 現在は400 ppm超
🌊影響
- 気温上昇・熱波の頻発
- 北極・南極・氷河の融解
- 海面上昇(沿岸部の水没リスク)
- 異常気象(洪水・干ばつ)
- 農作物・水資源・健康への影響
☂️2. 酸性雨とその影響
🌧️原因
- 火力発電や自動車の排気ガスに含まれるSO2(二酸化硫黄)・NOx(窒素酸化物)が大気中で硫酸・硝酸に変化 → 雨に溶けて酸性化(pH5.6未満)
🌲影響
- 森林の枯死、湖沼の生態系破壊
- 土壌の酸性化 → 農業への悪影響
- 建造物の劣化(石灰岩・金属など)
🧊3. オゾン層の破壊
🧪原因:フロン(CFC類)
- フロンが成層圏で紫外線により分解 → 塩素原子がO3(オゾン)を分解
Cl + O3 → ClO + O2
📌 成層圏のオゾン層は、紫外線(UV-B)を吸収する「地球のサングラス」
🕳️影響
- 南極上空にオゾンホール(9月〜11月)
- 紫外線増加 → 皮膚がん・白内障のリスク、生態系への影響
🐠4. 海洋汚染とプラスチック問題
🧴主な汚染物質
- 生活・工業排水(重金属、栄養塩など)
- 油の流出(タンカー事故)
- マイクロプラスチック(微小なプラごみ)
🌐影響
- 赤潮・青潮(富栄養化)
- 海洋生物の生態系破壊(誤飲・絡まり)
- 食物連鎖を通じた人間への影響
🦋5. 生物多様性の減少
🏭原因
- 生息地の破壊(森林伐採、都市化)
- 外来種の侵入
- 過剰な捕獲・乱獲
- 環境汚染や気候変動
📌 生物の多様性は生態系の安定性と人間の生活基盤に直結
例:ミツバチの減少 → 受粉ができず農業に影響
🧪6. 対策と国際的な取り組み
🌍地球温暖化対策
- パリ協定(2015):産業革命前からの平均気温上昇を2℃未満に抑える
- 再生可能エネルギーの導入、カーボンプライシングの導入
☂️酸性雨・オゾン層保護
- モントリオール議定書(1987):フロンの製造・使用の削減
- 脱硫装置・触媒の使用でSO2・NOxの削減
🌊海洋汚染対策
- 国際的な海洋投棄規制(ロンドン条約)
- プラスチック削減(レジ袋有料化、バイオプラの導入)
🐾生物多様性保全
- 生息地の保護(国立公園、自然保護区)
- 絶滅危惧種の保全活動
- 生態系サービスの認識向上と活用
✅受験チェックポイント
📌 温室効果ガスとその排出源
📌 酸性雨・オゾン層破壊の化学的メカニズム
📌 マイクロプラスチック問題の概要
📌 生物多様性とその意義(生態系の安定性)
📌 国際的な環境条約の名前と目的(モントリオール議定書・パリ協定など)