🌎地学⑳：気候変動と物質循環

🌍 単元の概要

この単元では、地球規模での気候の長期的な変化と、それに影響する物質の循環（炭素・水など）について学びます。

地球はエネルギーを太陽から受け、内部・外部と物質やエネルギーをやり取りするシステムであることを意識して理解しましょう。

🌡️1. 気候変動の分類

📆短期的気候変動（数年〜数十年）

• 例：エルニーニョ・ラニーニャ現象
• 気温・降水量の年ごとの変動 → 「気候変動」というより「気候ゆらぎ」

🧊中期的気候変動（数千〜数十万年）

• 例：氷期と間氷期の交代（最終氷期：約2万年前）
• 地球軌道の変化や太陽活動の変化が影響

🌍長期的気候変動（億年規模）

• 大陸移動（プレートテクトニクス）
• 火山活動、海陸分布、光合成生物の進化などが要因
• 例：恐竜時代（中生代）の温暖な気候

🧊2. 氷期と間氷期：第四紀の気候変動

🧊氷期（glacial period）

• 寒冷で氷河が拡大
• 海水が氷となって陸上に → 海面が低下

🌞間氷期（interglacial）

• 比較的温暖な時期
• 現在（完新世）は間氷期

📌 およそ10万年周期で繰り返す（ミランコビッチ・サイクル）

🌀3. 気候変動の要因

🌞外的要因

• 太陽活動の変化（黒点数の増減）
• 地球の軌道要素の変化（ミランコビッチ説）

* 公転軌道の離心率

* 地軸の傾き

* 地軸の歳差運動

🌋内的要因

• 火山活動 → エアロゾルの放出で寒冷化
• 大陸の位置変化（プレート移動） → 海流が変化

👥人為的要因（現代）

• 温室効果ガスの増加（CO₂・メタン）
• 森林伐採や土地利用の変化による炭素収支の変化

🔁4. 地球の物質循環システム

🌫️炭素循環（Carbon Cycle）

• 大気：CO₂として存在（約0.04%）
• 海洋：CO₂を吸収・放出
• 陸上：植物が光合成で固定 → 呼吸・分解で放出
• 地中：化石燃料や石灰岩、堆積物中に蓄積

📌 大気と海洋間のCO₂移動は温度依存性があり、気候変動と密接に関係

💧水循環（Hydrologic Cycle）

• 蒸発 → 凝結 → 降水 → 地表・地下流出 → 海へ
• 地球全体で見ると水の総量はほぼ一定

☁️5. 温室効果と気温の維持

🌡️温室効果とは？

• 大気中の温室効果ガス（CO₂・H₂O・CH₄など）が地表からの赤外線を吸収
• 吸収した熱を再放射 → 地表を保温

📌 この効果がなければ、地球の平均気温は約−18℃になってしまう！

🌐6. 地球温暖化の進行とその影響

📈産業革命以降のCO₂増加

• 石炭・石油など化石燃料の燃焼によりCO₂が増加
• 気温上昇 → 氷河融解・海面上昇・異常気象の頻発

🌍影響例

✅受験チェックポイント

📌 氷期と間氷期の交代とその周期（ミランコビッチ）

📌 炭素循環の中で大気→植物→土壌・海洋→化石燃料などの流れ

📌 温室効果ガスの種類と温暖化との関係

📌 人為的気候変動の要因と自然変動の違い

📌 地球温暖化の影響例（地形・気象・生態系）