🌍地学⑯:大気の大循環
🌬️ 単元の概要
この単元では、地球全体で見た大気の流れ(大気の大循環)について学びます。
地球が球形で自転していることから、緯度帯ごとに異なる風の流れが生じています。
ハドレー循環・フェレル循環・極循環、偏西風や貿易風のしくみを理解しよう。
🧩1. 大気の大循環とは?
- 地球上では、赤道付近で上昇気流、極付近で下降気流が発生
- この上下の流れを含めた大気の循環構造を大気の大循環と呼ぶ
- 緯度ごとに次の3つの循環に分けられる:
緯度帯 | 名称 | 主な風系 |
---|---|---|
0°〜30° | ハドレー循環 | 貿易風 |
30°〜60° | フェレル循環 | 偏西風 |
60°〜90° | 極循環 | 極東風 |
🔄2. ハドレー循環(Hadley cell)
- 赤道付近は太陽エネルギーが最も強く、空気が温まり上昇気流が発生
- 上昇した空気は高度10〜15 kmで両半球の30°付近へ流れて下降
- 地表では、30°から赤道へ空気が流れ、貿易風(東風)になる
📌 赤道低圧帯(熱帯収束帯):上昇気流 → 雲・スコールが発生
📌 亜熱帯高圧帯(30°付近):下降気流 → 乾燥 → 砂漠地帯が分布
🔁3. フェレル循環(Ferrel cell)
- ハドレー循環と極循環の間(中緯度)で発生する循環
- 30°から上昇、60°で下降という逆向きの循環
- 地表では、偏西風(西風)が吹く(西から東へ)
📌 フェレル循環は他の循環に引きずられるように形成されるため、不安定で気象の変化が多い!
🧊4. 極循環(Polar cell)
- 60°付近で暖かい空気が上昇、極で冷やされて下降する循環
- 地表では、極から60°に向けて極東風(東風)が吹く
📌 極圏では、冷たい空気が安定して下降 → 極高圧帯
🗺️5. 各風帯と気圧帯のまとめ
緯度帯 | 気圧帯 | 風の名前 |
---|---|---|
赤道(0°) | 赤道低圧帯 | 上昇気流 |
0°〜30° | 亜熱帯高圧帯 | 貿易風(東風) |
30°〜60° | 中緯度低圧帯 | 偏西風(西風) |
60°〜90° | 極高圧帯 | 極東風(東風) |
🌟ポイント:風の名前は「どこから吹いてくるか」で命名!
📊6. 地球の大循環を図で理解しよう
以下の構造が重要:
- 上空:高緯度から赤道に向かって風が流れる(地衡風)
- 地表:赤道から高緯度に向けて風が吹く(貿易風・偏西風など)
- 気圧帯が交互に並ぶ:低圧 → 高圧 → 低圧 → 高圧(赤道から極へ)
🧭 覚え方:
低高低高(赤道→極)
✅受験チェックポイント
📌 3つの大循環(ハドレー・フェレル・極)と緯度帯の対応
📌 赤道低圧帯=上昇気流・スコール・雲の発生
📌 30°=下降気流 → 乾燥 → 砂漠形成
📌 偏西風・貿易風・極東風の向きを正確に!
📌 気圧帯の配置(低高低高)を地図上で確認!