🌬️地学⑮:風の運動
🧭 単元の概要
この単元では、風が生じる原因と方向を決める力について学びます。
地表や上空で吹く風は、気圧・地球の自転・摩擦など複数の要因によって決まっています。
特に、気圧傾度力・コリオリ力・地衡風が重要キーワードです。
🌀1. 風の成因と方向を決める力
風は、空気が気圧の高い方から低い方へ移動することで発生しますが、実際の風は直線的には吹きません。
🔸① 気圧傾度力(きあつけいどりょく)
- 気圧差によって生じる力
- 等圧線に垂直な方向に、高圧→低圧へ働く
- 等圧線が密 → 気圧傾度力が大きい → 強風に!
🔸② コリオリの力(転向力)
- 地球の自転によって生じる見かけの力
- 北半球:右向き、南半球:左向きに風を曲げる
- 赤道ではゼロ、極ほど大きい
📌 速く動く風ほどコリオリ力も大きくなる!
🔸③ 摩擦力(地表付近のみ)
- 地表との摩擦で、風速を弱める+方向を変える
- 等圧線と風の向きが斜めになる(内向き)
- 上空には摩擦がほとんどない → 地衡風(後述)
🌐2. 地衡風(ちこうふう)
🔹定義:
気圧傾度力とコリオリ力がつり合ったときに吹く風
→ 等圧線に平行で、一定の高度以上(上空)で吹く
📌 上空の気象予測ではこの地衡風を基準に解析!
💨3. 地上付近の風の特徴
- 地上では摩擦の影響で、風は等圧線と斜めに交差
- 結果として、高気圧では風が外向き(発散)
→ 高気圧から低気圧へ向かって流れ込む
低気圧では風が内向き(収束)する
🧭 高気圧と低気圧における風の回転
圧力系 | 風の向き(北半球) | 垂直方向の気流 |
---|---|---|
高気圧 | 時計回りに外向き | 下降気流 |
低気圧 | 反時計回りに内向き | 上昇気流 |
📌 南半球では回転方向が逆になる点に注意!
🔁4. 風の種類(この単元で基礎だけ)
※詳細は「大気の大循環」で扱うが、以下も関連あり:
- 偏西風:上空の地衡風。中緯度で西から東へ吹く
- 貿易風:低緯度で東から西へ(赤道方向へ)
- モンスーン(季節風):季節によって風向が逆転
✅受験チェックポイント
📌 気圧傾度力:高→低、等圧線に垂直を図で理解
📌 コリオリ力の方向(北:右、南:左)を正確に!
📌 地衡風=等圧線に平行、摩擦の影響なし(上空)
📌 地上風=摩擦の影響で内向き/低気圧で収束
📌 高気圧・低気圧における風の回転方向・気流の組み合わせ暗記!