🌞地学⑭:地球のエネルギー収支
🧭 単元の概要
この単元では、太陽から地球に届くエネルギーと、地球が宇宙に放出するエネルギーとのバランス(エネルギー収支)を理解していきます。
また、温室効果や地表面のアルベドといったキーワードも重要です。
☀️1. 太陽放射と地球放射
🔹① 太陽放射(短波放射)
- 太陽の表面温度:約 6000K
- 地球大気上端でのエネルギー量(太陽定数):約1361W/m²
→ 可視光を中心とした短波放射を放出
📌 太陽からのエネルギーは地球の気温・風・水循環すべての源!
🔹② 地球放射(長波放射)
- 地球表面温度:約 288K(約15℃)
- この放射によって、地球は宇宙へ熱を逃がしている
→ 主に赤外線として長波放射を放出
🌀2. 地球のエネルギー収支
地球に入ってくるエネルギーと出ていくエネルギーは、長期的にほぼバランスしている。
🔸 エネルギーの流れ(概略)
過程 | 割合(おおよそ) | 説明 |
---|---|---|
反射される(アルベド) | 約30% | 雲・地表(氷・砂など)が反射 |
吸収される | 約70% | 大気や地表に吸収される |
地球放射として放出 | ≒吸収量 | 長波放射として宇宙に放出 |
🌐 アルベド(反射率)
- 白いものほど反射率が高い(氷・雲=高アルベド)
- 森・海など暗いものは吸収が多い(低アルベド)
📌 地球全体の平均アルベドは約 0.3(30%)
🌡️3. 温室効果と気温の維持
🔹① 大気の役割
- 地球放射の赤外線は、大気中の気体(水蒸気・CO2・メタンなど)に吸収されやすい
→ 吸収された赤外線は大気から再放射され、地表を保温する効果がある
🔹② 温室効果ガスの主な成分
気体 | 特徴 |
---|---|
水蒸気 | 最も量が多く、変動も大きい |
二酸化炭素(CO2) | 人為的な排出量が増加中 |
メタン(CH4) | 強力だが濃度は低い |
一酸化二窒素(N2O)など | 人間活動の影響も大きい |
📌 温室効果がなければ、地球の平均気温は -18℃。
→ 実際は 15℃前後で生命の存在が可能に!
🔁4. 地球全体のエネルギー循環(例)
1. 太陽放射 → 地表が吸収して温まる
2. 地表 → 大気や水に熱を与える(顕熱・潜熱)
3. 地表 → 赤外線を放出(地球放射)
4. 一部は大気に吸収 → 温室効果ガスが再放射
✅受験チェックポイント
📌 太陽放射は短波・地球放射は長波という違いを押さえる
📌 エネルギー収支図の流れを理解し、数値をざっくり覚える
📌 アルベドの高低と気温変化の関係(氷が減ると温暖化進行)
📌 温室効果ガスの名前と役割を正確に記述できるように
📌 「温室効果 ≠ 地球温暖化」→本来は気温を適度に保つ自然現象!