🌤️地学⑫:大気圏
🧭 単元の概要
この単元では、地球を取り巻く大気の構造と性質について学びます。地球の気象現象はすべてこの「大気圏」の中で起きており、地表付近の気象・成層圏のオゾン層・宇宙との境界など、様々な高度ごとに異なる特徴があります。
🌎1. 大気とは?
- 地球の表面を包む気体の層
- 主に窒素(N2)・酸素(O2)・微量気体(CO2・Ar・水蒸気など)からなる
成分 | 構成比(体積比) |
---|---|
窒素(N2) | 約78% |
酸素(O2) | 約21% |
アルゴン | 約0.93% |
二酸化炭素 | 約0.04% |
その他 | 微量 |
📌 水蒸気やエアロゾル(ちり・煙など)は地域・天候で変動!
📏2. 大気圏の構造と特徴
大気圏は気温の変化パターンに基づいて4つの層に分けられる。
🧊① 対流圏(0〜約11km)
- 地表から最も近い層。気象現象(雲・雨・風)はこの中で発生
- 高度が上がるほど気温が下がる(約6.5℃/km)
- 上端を「対流圏界面」という
📌 ジェット気流もこの上層に存在!
☀️② 成層圏(約11〜50km)
- 気温は上昇傾向(逆転)
- 理由:オゾン層が紫外線を吸収 → 熱を発生
- オゾン層は高度約25km付近に最大濃度
- 上端:成層圏界面
📌 成層圏は安定しており、対流がほぼ起きない → 飛行機はここを飛ぶことも多い
🧪③ 中間圏(約50〜80km)
- 高度が上がるにつれて再び気温が低下
- 上端で地球大気の最低気温(約−90℃)
- 上端:中間圏界面
📌 流星(流れ星)はこの層で発光し燃え尽きる
🛰️④ 熱圏(約80km以上)
- 太陽からのエネルギーで、気温は上昇(数百度以上)
- 実際の「暑さ」は感じない(気体分子がまばらなため)
- オーロラはこの層で発生(高緯度地方)
📌 国際宇宙ステーションはこの層の下部(約400km)を周回中!
🔄3. 大気の圧力と密度
- 大気は重力によって地表に引き寄せられている
- そのため、上空ほど密度・圧力が低下
- 標準気圧:1気圧 = 1013hPa(ヘクトパスカル) ★1atm = 1気圧 = 1013hPa = 760mmHg
📉 圧力と高度の関係は指数関数的に減少
🔸密度・気圧の減少の目安
- 高度5.5km付近:気圧は約半分
- 高度10km以上:酸素はかなり希薄
📌 登山・航空機の話題ともリンクしやすいテーマ!
☁️4. 大気圏の形成と進化(発展)
- 地球誕生直後:水素やヘリウムなどの原始大気 → 宇宙へ散逸
- 火山活動で二酸化炭素・水蒸気などを含む原始大気が形成
- やがて水蒸気が凝結 → 海ができ、CO2は海中に溶けて減少
- 光合成生物が登場 → 酸素が蓄積 → オゾン層形成 → 成層圏の発生
📌 生命の進化と大気構造の進化は連動している!
✅受験チェックポイント
📌 大気圏の4つの層と気温変化のパターン(上昇か下降か)
📌 オゾン層の位置と役割(紫外線吸収)を理解
📌 対流圏で気象現象が起こる理由(不安定な層構造)
📌 高度と気圧・密度の関係(指数関数的減少)
📌 オーロラ・流星・飛行機の位置など、生活や現象と大気圏の対応関係