🗾地学⑪:日本列島の成り立ち
🧭 単元の概要
この単元では、現在の日本列島がどのように形成されてきたのかを学びます。日本は4枚のプレートの境界に位置する変動帯で、その地質構造は複雑です。しかし、長い地質時代にわたるプレート運動と堆積・変動の歴史をたどることで、この成り立ちが明らかになります。入試でも、地質構造図・変成帯・付加体・島弧形成などが頻出になっているので、要チェックです。
🌍1. 日本列島の地理的位置とプレート境界
🔹主要な4つのプレート
プレート名 | 特徴 |
---|---|
ユーラシアプレート | 西日本・中国大陸側を形成 |
北米プレート | 東北地方や北海道、千島海溝に関係 |
太平洋プレート | 日本海溝を通って沈み込む → 地震・火山活動に関与 |
フィリピン海プレート | 南海トラフを通って沈み込む → 西日本の火山・付加体形成 |
📍4プレートの収束域にあるため、日本は地震・火山・地形変化が活発
🪨2. 日本列島の地質構造の大枠
🔸変動帯と地質構造
- 日本列島は新期造山帯(環太平洋造山帯)に属する
- 地質構造は大きく分けて:
古い地質体(先新第三紀〜古生代)
新しい地質体(新第三紀以降)
付加体(プレート沈み込みで形成)
変成帯(圧力や熱で変成された岩石帯)
🔹日本の主な地質帯(例)
地質帯 | 特徴・成因 |
---|---|
変成帯(領家・三波川など) | 沈み込むプレートの岩石が高温高圧で変成された → 帯状に分布 |
付加体(秩父帯・黒瀬川帯など) | 海洋プレートの堆積物が大陸側に削り取られて押し付けられたもの(付加作用) |
火山岩類(白亜紀・新第三紀など) | 大陸縁辺部でのマグマ活動により形成 |
堆積岩層(新第三紀層など) | 海成層や陸成層が日本海形成後に堆積 |
⛏️3. 付加体とは?:日本列島の「土台」
🔸付加体(accretionary complex)
- 海洋プレートが沈み込む際に、堆積物や海洋地殻の一部が剥ぎ取られ、大陸側に押し付けられた構造体
- これがプレート境界に沿って帯状に重なり合い、陸地が成長
- 現在の日本列島の多くの基盤を形成
📌例:四国山地の秩父帯や東北地方の黒瀬川帯など
🔹チャート・枕状溶岩・泥質岩の産状
付加体に含まれる代表的な岩石:
岩石 | 形成環境 |
---|---|
チャート | 放散虫などの放散シリカが深海底に堆積 → 圧縮で硬化 |
枕状溶岩 | 海底火山の玄武岩 → 急冷で「枕」状に |
泥質岩 | 深海底の泥 → 沈み込み帯で圧縮・褶曲 |
📌これらが地表で確認できる=プレート運動の証拠!
🌋4. 日本列島の成長と変遷
🔸約2億年前(中生代初期)
- 日本列島はまだ存在せず、アジア大陸の縁辺部にプレートが沈み込むことで、付加体が形成され始める
🔸約2,000万年前(新第三紀初期)
- 日本海の拡大が始まり、大陸から日本列島が引き裂かれて分離
- 引き裂かれた領域に地溝(リフト)が形成 → 日本海が拡大
- このころから現在のような弧状列島の形に
🔸現在
- 日本列島は東側で太平洋プレート、西側でフィリピン海プレートが沈み込む
- 沈み込み帯では:
→ 火山活動・地震活動が活発
→ 付加体の形成も継続中
🗾5. 地形と地質のつながり
地形 | 地質的背景 |
---|---|
日本アルプス | 衝突帯・隆起 → 深成岩や変成岩が地表に現れる |
東北地方の火山 | 沈み込み帯の火山フロント → 現在も活発な火山帯 |
中央構造線 | 西日本を横切る断層帯 → プレート境界での大変動の名残 |
🧭 地質と地形はリンクしている → センター・共通テストでも図表問題でよく出題!
✅受験チェックポイント
📌 プレートの種類と日本列島の関係を整理しておく(特に太平洋・フィリピン海)
📌 付加体の構造や岩石の産状(チャート・枕状溶岩など)を図とセットで理解
📌 日本列島が大陸から分離した時期・プロセスを説明できるか(日本海形成)
📌 変成帯・地質帯の分布と成因をマクロに理解しておく
📌 中央構造線・地質境界の地形への影響に注目する
📌 地質図・断面図の読解問題で頻出 → 地層の順序・構造の因果関係を問われる!