地学基礎⑧:大気構造と熱収支
🌞 地球のエネルギー源:太陽放射
(1)太陽からのエネルギー
- 地球が受ける主なエネルギー源は太陽放射(主に可視光線)。
- 太陽放射は短波放射に分類される(波長が短い)。
(2)太陽定数
- 地球の外側で受ける1㎡あたりの太陽エネルギー量(約1361W/m²)
🌎 地球の熱収支とは?
地球は太陽から受け取ったエネルギーと、宇宙に放出するエネルギーがつり合っていることで、平均気温が一定に保たれている。
〈ポイント〉
- 入ってくるエネルギー(=太陽放射エネルギー)
- 出ていくエネルギー(=地球放射エネルギー=赤外線)
🌞 太陽放射エネルギーの行方
地球が受け取った太陽エネルギー(100%)のうち:
行き先 | 割合 | 内容 |
---|---|---|
反射される | 約30% | 雲・大気・地表から反射 → **アルベド** |
吸収される(大気) | 約20% | 水蒸気やCO₂によって吸収 |
吸収される(地表) | 約50% | 地表で吸収 → 地表が温まる |
【重要用語】アルベドとは
- 反射率のこと(アルベドが高い=たくさん反射)
- 氷や雪:アルベド高い
- 海面や森林:アルベド低い
☁ 地球放射と温室効果
(1)地球放射とは?
- 地表が太陽放射で温まり、赤外線として宇宙に放出するエネルギー。
(2)温室効果とは?
- 赤外線が温室効果ガス(CO₂、CH₄、H₂Oなど)に吸収されることで、大気が保温され、地表の温度が高くなる。
- 地球の平均気温は本来 −19℃だが、温室効果により 約15℃ に保たれている。
🌎 地球全体の熱収支バランス
太陽からのエネルギーと、地球が宇宙に出すエネルギーが等しい(=収支がとれている)ため、気温が大きく変化しない。
※一時的な収支のズレは、気候変動(温暖化など)の要因になる。
🌐 緯度による放射の不均衡
- 赤道付近:受け取るエネルギー > 放出するエネルギー(正の収支)
- 極付近:受け取るエネルギー < 放出するエネルギー(負の収支)
→ これを解消するために、大気や海洋の大循環が起きる(次回)
受験ポイントまとめ ✅
チェック項目 | 内容 |
---|---|
🔲太陽放射 | 短波放射(可視光)として地球に到達 |
🔲地球放射 | 赤外線(長波放射)として宇宙に放出 |
🔲アルベド | 反射率(雪・氷が高い) |
🔲温室効果 | 赤外線が吸収→気温上昇(CO₂, CH₄, 水蒸気) |
🔲地球の熱収支 | 入ってくるエネルギー = 出ていくエネルギー |
🔲緯度差による不均衡 | 赤道:正の収支、極:負の収支 |