地学基礎⑦:古生物の変遷と地球環境
🌎 地層から読み取る地球の過去
地層に含まれる化石を手がかりに、過去の生物の変遷や地球環境の変化を読み解く。
🐚 化石の種類とその役割
(1)示準化石(しじゅんかせき)
- 地層が堆積した年代を示す化石。
- 生存期間が短く、分布が広く、数多く見つかるもの。
時代 | 示準化石の例 |
---|---|
古生代 | フズリナ、三葉虫 |
中生代 | アンモナイト、イノセラムス(双殻類) |
新生代 | ビカリア、カヘイ石(ヌンムリテス) |
※ 地層の「対比」に使われる(同じ化石があれば同時代の地層とみなせる)
(2)示相化石(しそうかせき)
- 当時の環境(水深、塩分、気温など)を示す化石。
環境 | 示相化石の例 |
---|---|
浅い海 | サンゴ |
深い海 | 放散虫 |
汽水域 | シジミ |
陸上 | 木の葉、昆虫、恐竜など |
📅 地質時代と生物の変遷
地球の歴史は「地質時代」に区分され、それぞれに特徴的な生物群が存在した。
(1)地質時代の区分(暗記推奨)
時代区分 | 内容(代表的生物・出来事) |
---|---|
先カンブリア時代 | 最古の生命。ストロマトライト(シアノバクテリア)など。 |
古生代 | 三葉虫、フズリナ、魚類の出現、シダ植物の繁栄、大絶滅(P-T境界) |
中生代 | アンモナイト、恐竜の繁栄、裸子植物、始祖鳥、大絶滅(K-Pg境界) |
新生代 | 哺乳類、被子植物、ビカリア、ヒト出現 |
※「カンブリア爆発」=多様な動物の急激な出現(古生代の始まり)
(2)生物の絶滅と進化の大事件
- 地球の歴史には、大量絶滅を伴う劇的な変化が複数回あった。
絶滅の例 | 時期 | 原因(推定) |
---|---|---|
P-T境界(古生代→中生代) | 約2.5億年前 | 大規模火山活動(シベリア・トラップ) |
K-Pg境界(中生代→新生代) | 約6600万年前 | 隕石衝突(チクシュルーブ・クレーター) |
🪨 古環境の証拠と地球の変化
地層に含まれる証拠(化石、岩石、同位体)から、過去の地球環境を推定できる。
(1)気候変動の証拠
- 氷河時代の痕跡 → モレーン(氷堆石)、氷成岩
- 炭素同位体 → CO₂量の変化
- 花粉化石 → 当時の植生や気温の情報
(2)大陸移動と生物分布
- プレートテクトニクスにより、大陸の位置が変化し、生物分布も変化。
- 例:ゴンドワナ大陸(古生代〜中生代)、パンゲア超大陸(古生代末)
🐚 地層と化石の組み合わせで読む地球史
地層の上下関係+含まれる化石 → 地質時代を特定+当時の環境を推定
→ 例:アンモナイト+サンゴ → 中生代の浅い海
→ 例:シダ植物+フズリナ → 古生代後期の湿地
受験ポイントまとめ ✅
チェック項目 | 内容 |
---|---|
🔲示準化石の特徴 | 時代を示す。広範囲・短期間・多数。例:フズリナ・アンモナイト |
🔲示相化石の特徴 | 環境を示す。例:サンゴ(浅海)、放散虫(深海) |
🔲地質時代の順序 | 先カンブリア→古生代→中生代→新生代(語呂合わせも有効) |
🔲大絶滅の時期 | P-T境界(約2.5億年前)、K-Pg境界(約6600万年前) |
🔲地層の化石から読み取れること | 当時の生物と環境、地質時代の特定 |