地学基礎⑳:【資料編】三角比と指数・対数
※数学Ⅰ: 図形と計量、数学Ⅱ: 指数関数と対数関数に対応
⛰️ 三角比の地学的活用
◉ 地震波の到達距離や角度の計算
地震波(P波やS波)の伝わる角度や距離を計算するとき、三角比(sin・cos・tan)を使います。
例:震源から観測点までの距離
- 地球の半径 R、震源の深さ h
- 中心角 θ(震央角)がわかれば、弧の長さ s = Rθ(ラジアン)
- cosθ = (R - h) / R から角度を求められる
◉ 地表の傾斜角(斜面・火山など)
傾斜角 θ に対して:
tanθ = 高さ / 水平距離
→ 火山の斜面角や地層の傾斜角を求める時に使用
🌡️ 指数関数の地学的活用【数学Ⅱ対応】
◉ 放射性年代測定と指数関数
放射性元素の崩壊(例:14C → 14N)は、時間とともに指数的に減少します。
放射性崩壊の式
N(t) = N₀ e-λt
- N₀: 初めの量
- N(t): 時間 t 後の量
- λ: 崩壊定数
→ 化石や岩石の年代を推定できる!
🔍 対数の活用と地震のマグニチュード
◉ 地震の大きさとマグニチュード(M)
マグニチュードは、地震のエネルギーを対数で表したものです。
例:気象庁式
M = log₁₀ A + B
- A: 最大振幅(mm)
- B: 震源距離による補正
→ Mが1増えるとエネルギーは10√10倍
🧠 地学で数学を使う理由
数学の分野 | 地学での使い方 |
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三角比 | 地震波の到達角・震源距離・地層の傾斜角の計算 |
指数関数 | 放射性同位体の崩壊 → 年代測定 |
対数関数 | 地震のマグニチュード・エネルギー量の比較 |
✅ 受験チェックポイント
項目 | 内容 |
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🔲 三角比 | 地震波の伝播、震央距離の計算、斜面角の理解 |
🔲 指数関数 | 放射性同位体の崩壊(14Cなど) |
🔲 対数関数 | マグニチュードとエネルギーの関係 |
🔲 地学×数学 | 地球現象の数理的理解に役立つツール |
📘 まとめ
地学では、三角比を使って「地震波や斜面」を、指数関数で「放射性崩壊」、対数で「地震の規模」を扱う。これにより、見えない地球内部の現象を数式で捉え、より正確に理解できるようになる。