高校地学基礎・地学

地学基礎②:地球の概観と構造

🌎 地球の形と大きさ

地球の形:完全な球ではない

地球は一見すると「球体」に見えますが、完全な球形(真球)ではなく、やや扁平(へんぺい)な楕円体(回転楕円体)です。

このように、赤道方向にふくらみ、極方向に少しつぶれた形をしています。これを「扁球(へんきゅう)」と呼びます。

これは、地球が自転(1日1回の回転)しているために生じる遠心力の影響です。

地球の表面積・体積・質量

地球の重力と遠心力

地球は回転しているため、場所によって重力の強さが微妙に異なります。

 → 自転による遠心力が赤道で最大となるため。

ジオイドとは

地球の表面には山や谷があるため、形は複雑です。そこで、平均海水面の高さを基準にした「ジオイド」という概念を使います。


受験チェックポイント ✅

チェック項目内容
🔲地球は回転楕円体か楕円体。赤道半径 > 極半径
🔲赤道と極の半径の差約21 km
🔲地球の形を表す用語回転楕円体・扁球・ジオイド
🔲重力が強いのはどこか極地方(遠心力が小さい)

🌋 地球内部の層構造

地球の内部構造:3つの区分

地球の内部は、物質の性質や地震波の伝わり方から以下のように分けられます。

【化学組成】による分類(地球を「成分」で分ける)

深さの範囲主な構成物質
地殻(ちかく)約0~30 km花崗岩・玄武岩・堆積岩
マントル約30~2900 kmカンラン石などのかんらん岩
核(コア)約2900~6371 km鉄・ニッケルが主成分

【物理的性質】による分類(地球を「性質」で分ける)

特徴
リソスフェア(岩石圏)地殻+上部マントルの一部、プレートを構成
アセノスフェア(軟らかい層)上部マントルの一部、ゆっくり対流している
メソスフェア(下部マントル)高温高圧でやや硬い
外核(液体)S波が通れない(液体である証拠)
内核(固体)非常に高温・高圧で、鉄などが固体状態

🌎 地震波からわかる地球内部

地震波にはP波(縦波)とS波(横波)があり、性質を活かして地球内部の構造が明らかになりました。

外核でS波が消失することから、外核は液体とわかる

→ P波の速度変化から、内核は固体であると推定される

モホ面(モホロビチッチ不連続面)

地球内部の温度


受験チェックポイント ✅

チェック項目内容
🔲地球の主な構造の順序地殻 → マントル → 外核 → 内核
🔲地球の体積で最も多い部分マントル(約80%)
🔲地震波からわかること外核は液体(S波が通らない)
🔲モホ面とは地殻とマントルの境界。地震波が急に速くなる場所
🔲リソスフェア・アセノスフェアの違い固いプレート・柔らかい対流層

✅ まとめ