地学基礎⑱:地球史
🔭 地球誕生の背景と宇宙的起源
◉ 太陽系の形成(約46億年前)
- 太陽系のもと:宇宙空間の星間雲(ガスと塵)
- 星間雲が重力収縮 → 中心に原始太陽、周囲に原始惑星系円盤
- 原始惑星系円盤の中で微粒子が衝突・合体 → 微惑星形成 → 衝突・合体を繰り返し原始地球が誕生
◉ 地球の成層化
- 原始地球は高温状態(重力収縮の熱、放射性元素、微惑星の衝突熱)
- 高温により金属(Fe・Ni)は沈み、シリケートは上昇
→ 中心核(鉄)とマントル(ケイ酸塩)に分化(=成層化)
🌍 原始地球とその変化
◉ 原始大気の形成
- 火山活動による脱ガス作用で大気が形成
- 主成分は二酸化炭素、水蒸気、窒素(現在の酸素とは異なる)
◉ 海の誕生(約43億年前)
- 地球が冷える → 大気中の水蒸気が雨となって降り注ぐ
- 地表に水がたまり、海洋が形成される
🌊 生命の誕生と酸素の登場
◉ 生命の誕生(約38億年前)
- 海中の熱水噴出孔(ブラックスモーカー)や浅海で有機物が形成
- 単細胞の原核生物(シアノバクテリアなど)が誕生
◉ 光合成と酸素の発生(約27億年前~)
- シアノバクテリアが光合成を開始 → 酸素(O₂)を発生
- 酸素はまず鉄と結合して海中に沈殿(縞状鉄鉱層)
- やがて大気中にも酸素が蓄積(約20億年前)
🌬️ オゾン層と陸上進出
◉ オゾン層の形成
- 大気中の酸素が紫外線により分解・再結合 → オゾン(O₃)が生成
- 成層圏にオゾン層ができ、紫外線を遮断 → 陸上への生命進出が可能に
◉ 多細胞生物の出現(約10億年前〜)
- 複雑な細胞(真核生物)の出現
- カンブリア紀(約5.4億年前)に生物が急激に多様化(=カンブリア爆発)
🦖 地球の大変動と生物の進化
時代 | 出来事・特徴 |
---|---|
**先カンブリア時代**(約46億〜5.4億年前) | 地球誕生・海の形成・生命誕生・酸素出現 |
**古生代**(5.4〜2.5億年前) | 三葉虫、魚類、両生類、昆虫の出現 / **大陸移動が活発(パンゲア形成)** |
**中生代**(2.5〜6600万年前) | 恐竜・裸子植物の繁栄 / 被子植物の出現 / 恐竜絶滅(隕石衝突) |
**新生代**(6600万年前〜現在) | 哺乳類・被子植物の繁栄 / ヒトの出現(約700万年前〜) |
🌐 地球の変動史と環境変化【発展】
◉ プレートテクトニクスと地形変化
- 地球表層は複数のプレートで構成され、長期的に大陸や海洋が移動
- パンゲア超大陸 → 分裂 → 現在の大陸配置
- 地形・気候・生物分布にも大きな影響
◉ 氷期と間氷期
- 地球の軌道・地軸変化によるミランコビッチサイクルが影響
- 氷期には氷床が拡大、間氷期には気温が上昇(現在は間氷期)
📊 年代表・地球史のスケール感
年代 | 出来事 |
---|---|
約46億年前 | 地球誕生・原始地球の成層化 |
約43億年前 | 海の形成 |
約38億年前 | 生命誕生 |
約27億年前 | 光合成開始(酸素発生) |
約20億年前 | 大気中に酸素が増加 |
約10億年前 | 多細胞生物の出現 |
約5.4億年前 | カンブリア爆発 |
約2.5億年前 | 最大規模の大量絶滅(ペルム紀末) |
約6600万年前 | 恐竜絶滅(中生代末) |
約700万年前 | ヒトの祖先登場 |
受験チェックポイント ✅
項目 | 内容 |
---|---|
🔲地球の誕生 | 約46億年前、星間雲の重力収縮から形成 |
🔲海と生命 | 海の形成→生命誕生→光合成と酸素増加 |
🔲酸素とオゾン層 | 酸素→オゾン層→陸上進出 |
🔲地球の時代区分 | 先カンブリア時代、古生代、中生代、新生代 |
🔲カンブリア爆発 | 約5.4億年前、生物の急激な多様化 |
📘 まとめ
地球は宇宙の中で約46億年前に誕生し、海や大気、生命を育みながら変動し続けてきた天体である。
生命は海中で始まり、酸素の出現によって環境が変わり、ついには陸上に進出。プレートの動きや気候変化により、地球環境と生物の関係は常に変化してきた。この長大な歴史を理解することは、現在の地球環境の背景を知る手がかりとなる。