🌍 地学基礎⑰:太陽系の中の地球
☀️ 地球の位置と運動
◉ 地球の位置
- 地球は、太陽を中心とした太陽系の中で、太陽から3番目の軌道を公転している惑星。
- 太陽からの距離:約1億5000万km(=1天文単位(AU))
◉ 地球の公転(太陽のまわりをまわる運動)
- 公転周期:約365.25日
- 公転軌道:楕円軌道(ほぼ円に近い)
- 軌道面:黄道面とよばれ、地球の公転の軌道平面
☑ ポイント:
- 地球が1月初めに近日点(太陽に最も近い)になり、7月初めに遠日点(太陽から最も遠い)になる
- 近日点の方が速く動く(ケプラーの法則:面積速度一定の法則)
◉ 地球の自転(地軸を中心とした回転)
- 自転周期:約24時間
- 自転軸:黄道面に対して約23.4°傾いている
☑ これにより起こる現象:
- 昼と夜の交代(自転の直接的結果)
- 四季の変化(地軸の傾きによる日射の変化)
- 天体の見かけの動き(東→西の動き)
🌎 地球の構造と特徴
◉ 地球の三重構造(大まかな構造)
- 地殻(crust):最外殻、岩石で構成、厚さ平均30~60km程度
- マントル(mantle):高温高圧、ゆっくり流動する(対流あり)
- 核(core):鉄・ニッケルを主成分とする
- 外核:液体
- 内核:固体(高圧のため)
◉ 地球の表面の特徴
- 海陸分布:水が存在することが最大の特徴
→ 地表の約70%が海洋
- プレートテクトニクス:地殻は複数のプレートに分かれ、マントルの対流によって移動
🌐 3. 地球の環境(太陽系内での特殊性)
☁️ ① 大気
- 主成分:窒素(約78%)・酸素(約21%)
- 大気があることで気温の安定、生命活動が可能
- 成層圏にオゾン層があり、紫外線から生命を守る
💧 ② 液体の水
- 表面に液体の水が安定して存在する唯一の惑星
- 海・川・湖に加え、水循環(蒸発→雲→降水)も活発
- 地球の平均気温は15℃前後で、水が三態(固体・液体・気体)で存在できる
🌱 ③ 生命の存在
- 現在知られている唯一の生命を宿す天体
- 光合成を行う生物により酸素大気が形成され、二酸化炭素の量はごく少量
- 生物圏(biosphere)という独自の層を持つ
🌍 ④ 磁場の存在
- 地球は強い地磁気を持つ(外核の液体金属の対流に起因)
- 磁場が太陽風から地球を守り、オーロラの発生にも関与
📈 地球の公転と季節変化
地球が公転し、地軸が傾いていることで、日照時間と太陽高度が季節によって変化し、四季が生まれる。
時期 | 太陽の位置 | 日本での季節 | 太陽高度(正午) |
---|---|---|---|
春分(3/21ごろ) | 赤道直下 | 春の始まり | 中程度 |
夏至(6/21ごろ) | 北緯23.4° | 夏 | 高い |
秋分(9/23ごろ) | 赤道直下 | 秋の始まり | 中程度 |
冬至(12/22ごろ) | 南緯23.4° | 冬 | 低い |
受験チェックポイント ✅
項目 | ポイント |
---|---|
🔲 地球の公転 | 約365.25日、近日点・遠日点の時期と速度の違い |
🔲 地球の自転 | 約24時間、昼夜の交代や天体の見かけの動きの原因 |
🔲 地軸の傾き | 約23.4° → 四季の原因 |
🔲 表面環境 | 液体の水、酸素大気、生命、プレート運動、磁場の存在 |
🔲 季節と太陽高度 | 春分・夏至・秋分・冬至の位置関係と太陽の高さ |
📘 まとめ
地球は、太陽系の中でも極めて特異な環境を持つ惑星である。水・大気・生命・磁場といった特徴は、地球にしか見られない。また、公転や自転、地軸の傾きは、気候や生命環境に深く関係している。地球の性質を理解することは、他の惑星や宇宙全体を考えるうえでの基盤となる。