🌟 地学基礎⑯:太陽と恒星
☀️ 太陽とは何か?
太陽は、地球から約1億5000万km離れた\\恒星(主系列星)\\で、核融合反応によって莫大なエネルギーを生み出している。主なエネルギー源は、\\水素がヘリウムに変化する際の核融合反応(陽子-陽子連鎖反応)\\である。
🔥 太陽の基本データ
項目 | 数値 |
---|---|
質量 | 地球の約33万倍 |
半径 | 約70万km(地球の約109倍) |
表面温度 | 約6000K(ケルビン) |
中心温度 | 約1500万K |
主な成分 | 水素:約75%、ヘリウム:約23%、その他:約2% |
🧱 太陽の内部構造
太陽は内部で層構造をなしており、中心から順に以下のように分かれている:
🌀① 核(コア)
- 温度:約1500万K
- 水素→ヘリウムの核融合反応が起こり、莫大なエネルギーを生成
💫② 放射層
- エネルギーを放射によって外側に伝える領域
- 非常に密度が高く、光が中心から出るのに10万年かかると言われる
🔁③ 対流層
- エネルギーが対流によって運ばれる
- ガスが上下に移動し、表面に黒点や粒状斑を形成
🌞 太陽の表層構造(大気)
🌕 光球(photosphere)
- 太陽の「表面」に相当。可視光を出す部分
- 黒点(周囲より温度が低く暗い)が見られる
🔥 彩層(chromosphere)
- 光球の外側、赤っぽく見える薄い層
- フレア(爆発現象)やプロミネンス(紅炎)が観測される
👑 コロナ(corona)
- 太陽大気の最外層。温度は100万K以上で、白く広がるガス
- 皆既日食時に見える。なぜこんなに温度が高いのかは現在も研究中(コロナ加熱問題)
🌟 恒星とは何か?
恒星は、自らの重力でガスを収縮させて中心に高温高圧環境を作り、核融合によってエネルギーを放つ天体のこと。
太陽もその一つで、主系列星(Main Sequence Star)に分類される。
📊 HR図(ヘルツシュプルング・ラッセル図)
恒星の絶対等級(明るさ)と表面温度(スペクトル型)の関係を表した図。恒星の進化を理解するうえで非常に重要。
HR図の特徴
- 左上:高温・高輝度 → 巨星・超巨星(ベテルギウスなど)
- 中央帯:主系列星(太陽など)
- 右下:低温・低輝度 → 白色矮星(シリウスBなど)

図: ヘルツシュプルング・ラッセル図の例 出典:CC 表示-継承 3.0, Wikipedia
スペクトル型(表面温度の分類)
「OBAFGKM」で分類。O型が最も高温(青白)、M型が最も低温(赤)
型 | 温度(K) | 色 |
---|---|---|
O型 | 3万以上 | 青白 |
B型 | 2万〜3万 | 青白 |
A型 | 1万〜2万 | 白 |
F型 | 7000前後 | 黄白 |
G型 | 6000前後 | 黄(🌞太陽) |
K型 | 5000前後 | 橙 |
M型 | 3500以下 | 赤 |
🌠 恒星の進化
恒星の一生は質量によって大きく異なる:
🔹 太陽程度の質量(中低質量星)
1. 主系列星 → 2. 赤色巨星 → 3. 惑星状星雲 → 4. 白色矮星
🔸 大質量星(10倍以上)
1. 主系列星 → 2. 赤色超巨星 → 3. 超新星爆発 →
→ 4-1. 中性子星(質量が中)
→ 4-2. ブラックホール(質量が非常に大)
💡 核融合とエネルギー
- 太陽で起こっているのは陽子-陽子連鎖反応(ppチェーン)
→ 水素(4個)がヘリウム(1個)になり、0.7%の質量がエネルギーに変換
→ E = mc^2 の式(質量とエネルギーの等価性の公式)で示されるように、質量のごく一部が莫大なエネルギーに
受験チェックポイント ✅
項目 | ポイント |
---|---|
🔲 太陽の構造 | 核→放射層→対流層→光球→彩層→コロナの順 |
🔲 黒点の温度 | 周囲より低温(暗く見える) |
🔲 HR図 | 明るさと温度の関係・主系列星の位置を理解 |
🔲 スペクトル型の順番 | **OBAFGKM**(語呂:オバアフグカメ) |
🔲 恒星の進化 | 質量の大小で進化の最終形が異なる |
🔲 核融合反応 | 太陽では水素→ヘリウム反応、質量欠損に注意 |
📘 まとめ
太陽は恒星の一つにすぎず、宇宙にはさまざまな進化段階の恒星が無数に存在する。HR図は恒星の進化を視覚的に理解できる非常に重要な道具であり、温度・明るさ・進化段階・スペクトル型を関連づけて覚えることが受験対策として極めて重要です。