地学基礎⑮:太陽系の天体
☀️ 太陽系とは?
太陽系は、中心に恒星である太陽があり、その重力の支配下に多数の天体が公転して構成される系。
太陽系形成の主流説は原始太陽系星雲説で、約46億年前に星間ガス雲が収縮し、中心に太陽、周縁部に微惑星が形成されたとされる。
🪐 惑星の分類(IAU 2006 の定義準拠)
区分 | 名前(内側から順) | 主な特徴 |
---|---|---|
地球型(岩石)惑星 | 水星・金星・地球・火星 | 小型・高密度・薄い大気 |
木星型(ガス)惑星 | 木星・土星 | 巨大・水素とヘリウム中心・輪あり |
天王星型(氷)惑星 | 天王星・海王星 | 中型・水・メタン・アンモニアなどの氷成分多い |
> 惑星の条件
> ① 太陽を公転 ② 十分な質量で静水圧平衡(ほぼ球形)
> ③ その軌道周辺から他の天体を排除
🛰️ 準惑星・小天体
🪐 準惑星(Dwarf planet)
- 軌道掃除が不十分
- 例:冥王星、エリス、セレス、ハウメア、マケマケ
💎 小惑星(Asteroid)
- 主に火星と木星の間(小惑星帯)に集中
- 例:ケレス(最大)、リュウグウ、ベンヌ
- 金属やケイ酸塩が主体
☄️ 彗星(Comet)
- 氷と塵の混合。太陽接近時にコマと尾を形成
- 例:ハレー彗星(周期約76年)
- 起源:エッジワース・カイパーベルト、オールトの雲
🪨 流星物質
- 流星=大気圏で光る現象、燃え残りが地表に落下→隕石
🪐 太陽系の構造(内側から外側)
1. 太陽(質量は太陽系全体の約 99.86%)
2. 水星〜火星(地球型惑星)
3. 小惑星帯
4. 木星・土星(木星型惑星)
5. 天王星・海王星(天王星型惑星)
6. エッジワース・カイパーベルト(準惑星・短周期彗星源)
7. オールトの雲(長周期彗星源・球殻状と推定)
🌌 公転・自転の特徴
惑星 | 公転周期 | 自転周期 | 自転方向の特記事項 |
---|---|---|---|
金星 | 約225日 | 約243日 | 自転が逆向き(自転軸ほぼ直角) |
地球 | 365.26日 | 23h56m | - |
火星 | 約687日 | 24h37m | - |
天王星 | 約84年 | 17h14m | 横倒し(軸傾斜98°) |
🔭 太陽系外縁天体と探査
- 冥王星探査機ニュー・ホライズンズ:2015年フライバイ
- 小惑星探査機はやぶさ2:リュウグウから試料回収
- 探査の目的:太陽系形成史・有機物起源の解明
🧩 太陽系と地球の位置づけ
- 地球は生命存在が確認される唯一の惑星
- ハビタブルゾーン(液体の水が存在可能な範囲)内
- 月との潮汐相互作用、磁場による太陽風遮蔽が生命維持に寄与
受験チェックポイント ✅
項目 | ポイント |
---|---|
🔲 惑星の3条件 | 太陽公転・球形・軌道掃除 |
🔲 準惑星の定義 | 軌道掃除が不十分 |
🔲 公転周期とケプラーの第3法則 | T^2∝a^3の関係を利用する問題に注意 |
🔲 木星型 vs 地球型惑星 | 主要成分・密度・衛星数の違いを整理 |
🔲 彗星の起源 | カイパーベルト(短周期)/オールトの雲(長周期) |
🔲 ハビタブルゾーン | 恒星光度・距離の関係で計算させる出題に備える |
📒まとめ
太陽系は、太陽を中心に多種多様な天体が階層構造を成し、それぞれの軌道力学と成分が“宇宙の化石”として46億年の歴史を物語っています。受験では分類・定義・数値関係(周期・距離)が頻出なので、早めに整理しておきましょう。