地学基礎⑪:日本の天気と気象災害
🗾 日本の天気の特徴
日本は中緯度(温帯)に位置し、四方を海に囲まれているため、季節ごとの気圧配置や風の変化が大きいのが特徴です。
季節ごとの天気と気圧配置
季節 | 主な気団・気圧配置 | 特徴的な天気 |
春 | 移動性高気圧・低気圧の交互 | 天気が周期的に変わる |
梅雨(初夏) | オホーツク海高気圧+太平洋高気圧 → 梅雨前線 | 長雨、湿気、曇りがち |
夏 | 太平洋高気圧が強まる | 晴れ・高温、雷雨(夕立)も |
秋 | 移動性高気圧・台風・秋雨前線 | 台風・秋雨・涼しさ |
冬 | シベリア高気圧+低気圧(日本海側) | 日本海側:雪/太平洋側:晴れ・乾燥 |
▶ 気団の違いが天気の違いを生む!
🗾 日本に影響する気団
気団名 | 季節 | 性質 |
シベリア気団 | 冬 | 寒冷・乾燥(大陸内部) |
オホーツク海気団 | 初夏 | 冷涼・湿潤(海洋+寒冷) |
小笠原気団 | 夏 | 高温・湿潤(太平洋) |
揚子江気団 | 春・秋 | 温暖・乾燥 |
☔ 前線と天気
日本周辺でよく見られる前線
前線 | 特徴 | 例 |
寒冷前線 | 寒気が暖気を押し上げる | 強い雨・突風・雷雨 |
温暖前線 | 暖気が寒気の上にゆるやかに乗る | 弱い雨が長く続く |
停滞前線 | 寒気と暖気の力が拮抗 | 梅雨・秋雨 |
閉塞前線 | 寒冷前線が温暖前線に追いつく | 複雑な天気変化 |
🌀 台風(熱帯低気圧)
台風とは
北西太平洋で発生する熱帯低気圧のうち、最大風速が17.2m/s以上のものを台風という。
特徴 | 内容 |
発生場所 | フィリピン沖などの海上(熱帯) |
エネルギー源 | 暖かい海面の水蒸気(潜熱) |
構造 | 目がある、周囲に強風域・暴風域 |
台風の進路と日本
- 太平洋高気圧のふちを回って北上
- 夏〜秋にかけて日本に接近・上陸が多い
- 上陸時:暴風・大雨・高潮・土砂災害のリスク
☔ 気象災害の種類と対策
災害 | 原因 | 被害例・対策 |
大雨 | 台風・梅雨前線など | 洪水、土砂崩れ → ハザードマップ、避難情報 |
豪雪 | 冬型気圧配置(日本海側) | 屋根の雪下ろし、交通まひ |
落雷 | 積乱雲(寒冷前線・夏) | 停電・火災 → 雷注意報、屋内避難 |
竜巻 | 積乱雲・台風周辺 | 強風被害 → 竜巻注意情報の活用 |
高温・熱中症 | 小笠原気団の勢力下 | 日中の行動制限、こまめな水分補給 |
乾燥・火災 | 冬の晴天続き(太平洋側) | 火の取り扱い注意、乾燥注意報 |
📡 気象庁の情報活用
種類 | 内容 |
気象警報・注意報 | 大雨・暴風・雷などに対する警戒 |
特別警報 | 命に関わるレベルの災害が迫る時 |
注意すべき指数 | 熱中症指数(WBGT)、雷・竜巻注意情報など |
防災気象情報 | 大雨特別警報、記録的短時間大雨情報 など |
受験対策ポイント ✅
内容 | チェック |
🔲季節ごとの気圧配置 | 冬型(西高東低)・梅雨前線など |
🔲気団の特徴 | 小笠原気団=高温多湿/シベリア気団=寒冷乾燥 |
🔲台風の進路 | 太平洋高気圧の縁に沿って北上 |
🔲前線の種類 | 寒冷前線→強雨・突風/温暖前線→弱い雨が長い |
🔲気象災害の種類 | 大雨→土砂/台風→高潮・風雨など |
🔲気象庁の防災情報 | 特別警報=命を守る行動を! |