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地学基礎⑤:地震・火山がもたらす恵みと災害

好奇心旺盛なちさまる この記事で探究すること

プレートの境界に位置する日本は、「地震大国」「火山大国」だ。それは、大きな災害のリスクと常に隣り合わせであることを意味する。でも、その一方で、火山や地殻変動は、わたしたちの生活に豊かな「恵み」もあたえてくれているんだ。この単元では、地球の活動がもつ「二面性」を理解し、科学の知識を、災害から命を守る「防災」へとつなげる方法を探究するよ。

1. 火山がもたらす恵みと災害

火山活動は、地球内部のエネルギーが地表に現れるダイナミックな現象だ。

2. 地震がもたらす恵みと災害

プレートのひずみによって引き起こされる地震もまた、地形を形成する原動力であり、恵みと災害の両面を持つ。

警告するコレクト コレクトの防災ラボ:ハザードマップと防災気象情報

自然災害のリスクは、全ての場所で均一ではありません。ハザードマップは、過去のデータや地形の科学的分析に基づき、どの場所に、どのような災害(洪水、土砂災害、津波など)が、どの程度の規模で起こりうるかを示した「リスクの地図」です。自らの居住地や勤務地のリスクを事前に把握しておくことは、防災の論理的な第一歩です。

また、気象庁などが発表する防災気象情報(警報、注意報、噴火警戒レベルなど)は、危険が差し迫っていることを知らせる重要なシグナルです。これらの情報が、どのような科学的根拠に基づいて、どのような基準で発表されるのかを正しく理解し、情報を受け取った際には、ためらわずに避難などの適切な行動をとることが、被害を最小化する(減災)ための鍵となります。

なるほど!と話すちさまる 共通テスト対策まとめ

防災と関連するこの単元は、現代社会を生きる上で必須の教養だ!

  1. 火山災害の種類と特徴を区別する。
    特に「溶岩流」と「火砕流」の速さや危険性の違いは頻出。火山灰がもたらす、広範囲かつ多様な影響についても理解しておくこと。
  2. 地震に伴う二次災害の種類を覚える。
    揺れそのものだけでなく、「津波」や「液状化」が、どのようなメカニズムで、どのような場所で発生しやすいのかを理解することが重要。
  3. 「ハザードマップ」と「防災気象情報」の役割を理解する。
    ハザードマップは「事前のリスク把握」、防災気象情報は「差し迫った危険の伝達」という、時間軸の違いを意識しよう。

練習問題

問1:火山噴出物のうち、高温のガスと火山灰などが一体となって、高速で山体を流れ下る最も危険な現象を何というか。

問2:海底で発生した大規模な地殻変動によって引き起こされ、沿岸部に甚大な被害をもたらすことがある波を何というか。

問3:過去のデータや地形の分析に基づき、災害のリスクがある区域を示した地図を何というか。

解答と解説

問1の答え:火砕流

問2の答え:津波

問3の答え:ハザードマップ