関連編:気象庁について知ろう
コレクトによる序文
天気予報、台風情報、緊急地震速報…。我々の日常と安全は、ある一つの組織が提供する、膨大な科学的データと、その分析・予測によって支えられています。それが「気象庁」です。ここでは、地学の知識が、社会のインフラとしてどのように機能しているのか、その最前線である気象庁の役割と活動について解説します。
気象庁の主な役割
気象庁は、国土交通省の外局として設置された、国の行政機関です。その使命は、気象、地震、火山などの自然現象を監視・予測し、その情報を国民に迅速に提供することで、自然災害の軽減、交通の安全確保、産業の発展に貢献することです。
1. 気象の監視・予測
全国に設置されたアメダス(地域気象観測システム)による地上の観測、気象衛星「ひまわり」による宇宙からの観測、レーダーによる雨雲の観測など、あらゆるデータを24時間365日体制で収集。スーパーコンピュータを用いた数値予報モデルを駆使し、日々の天気予報や、台風の進路予測、大雨・暴風などの警報・注意報を発表しています。
2. 地震・津波の監視・予測
全国に張り巡らされた高感度の地震計ネットワークで、わずかな揺れも逃さず検知。地震発生時には、その震源や規模を即座に計算し、各地の震度情報や、津波の有無・高さを予測し、津波警報・注意報を発表します。P波とS波の速度差を利用した「緊急地震速報」は、その技術の結晶です。
3. 火山の監視
日本全国の活火山に、地震計や監視カメラ、GPSなどを設置し、火山活動を常時監視。山の膨張や、火山性地震の増加といった、噴火の前兆現象をとらえ、「噴火警戒レベル」を発表することで、周辺住民の安全な避難を支援します。
地学の知識が、命を救う!
気象庁が出してくれるたくさんの情報は、いわば地球からの「メッセージ」。
「これから大きな雨雲が近づくよ(大雨警報)」
「海の底で大きな地殻変動があったよ(津波警報)」
「山の地下でマグマが動いているよ(噴火警戒レベル引き上げ)」
ぼくたちが地学を学ぶことは、この地球からの大切なメッセージを、正しく受けとって、自分の命を守る行動につなげるための、最高の訓練なんだ!