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地学基礎⑧:化石と地質年代

好奇心旺盛なちさまる この記事で探究すること

地層の中から見つかる、大昔の生物の痕跡「化石」。それは、単なる珍しい石じゃない。その地層がいつ、どんな環境でできたのかを教えてくれる、地球の歴史書を読み解くための「キーワード」なんだ。この単元では、化石が持つ2つの重要な役割と、それをもとに、地球46億年の歴史をどのように区分しているのか、「地質年代」という壮大な時間スケールを探究するよ。

1. 化石の2つの役割

化石は、地層の年代や堆積環境を推定する上で、2つの異なる、重要な役割を持っている。

2. 地質年代と代表的な示準化石

示準化石の発見により、地球の歴史は、生物の種類の大きな変化をもとに、いくつかの時代に区分されている。これを「地質年代」という。特に重要なのが、古生代、中生代、新生代という区分だ。

分析中のコレクト コレクトの論理 de 解説:地質年代区分
  • 古生代(約5.4億年前~約2.5億年前)
    • 代表的な示準化石:三葉虫、フズリナ
    • 特徴:前半は、多様な無脊椎動物が繁栄した「カンブリア爆発」が起きる。後半には、魚類が登場し、植物や両生類が陸上へ進出した。
  • 中生代(約2.5億年前~約6600万年前)
    • 代表的な示準化石:アンモナイト、恐竜
    • 特徴:爬虫類が巨大化し、恐竜が陸上の生態系の頂点に立った時代。裸子植物も繁栄した。
  • 新生代(約6600万年前~現在)
    • 代表的な示準化石:ビカリア、哺乳類(ナウマンゾウなど)
    • 特徴:恐竜の絶滅後、哺乳類と被子植物が急速に多様化し、繁栄した時代。人類が登場したのも、この新生代の終わりの方だ。
豆知識を話すコレクト コレクトの発展ラボ:放射年代測定

豆知識ですが、示準化石でわかるのは、「この地層は中生代」といった、相対的な年代(相対年代)です。では、「具体的に何万年前か」という絶対的な年代(数値年代)は、どうやって決めるのでしょうか?

その強力な武器が、「放射年代測定」です。岩石に含まれる、放射線を出す性質を持つ元素(放射性同位体)は、決まった速さ(半減期)で、別の元素に変わっていきます。例えば、炭素14(¹⁴C)は、約5730年でその半分が窒素14(¹⁴N)に変わります。地層に含まれる¹⁴Cの量と、それが変化してできた¹⁴Nの量の比率を調べることで、その地層ができてから、何年経ったかを、数式で正確に計算することができるのです。

なるほど!と話すちさまる 共通テスト対策まとめ

化石と地質年代は、知識問題の宝庫だ!

  1. 「示相化石」と「示準化石」の役割の違いを、自分の言葉で説明できるようにする。
    「相=環境」「準=時代」という漢字の意味で覚えよう。
  2. 示準化石の3つの条件(生存期間が短い、分布範囲が広い、個体数が多い)を覚える。
  3. 古生代・中生代・新生代の、それぞれの代表的な示準化石を完璧に覚える。
    (古:三葉虫・フズリナ、中:アンモナイト・恐竜、新:ビカリア・哺乳類)
  4. 放射年代測定の基本原理を理解する。
    「半減期」というキーワードと、それが「数値年代」を決定する方法であることを押さえておこう。

練習問題

問1:その地層が堆積した当時の環境を知る手がかりとなる化石を何というか。

問2:中生代の示準化石を2つ答えなさい。

問3:岩石に含まれる放射性同位体が、元の量の半分になるまでにかかる時間を何というか。

解答と解説

問1の答え:示相化石

問2の答え:アンモナイト、恐竜

問3の答え:半減期