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地学を学べば、世界が見える。

地学⑬:地球史

好奇心旺盛なちさまる この記事で探究すること

地球が誕生してから46億年。その壮大な歴史は、地層や化石、岩石に残された様々な記録から、驚くほどくわしく解き明かされているんだ。この単元では、先カンブリア時代から、古生代、中生代、そして、わたしたち人類が登場した新生代まで、地球と生命がたどってきた進化の大筋を、時代の特徴的な出来事とともに、一気に旅していくよ。地球史は、地学のすべての知識を総動員して挑む、究極の物語だ!

先カンブリア時代(約46億年前~5.4億年前)

地球史の約9割を占める、生命の黎明期。

古生代(約5.4億年前~2.5億年前)

「カンブリア爆発」によって、多様な生物が一斉に出現した、生命の躍進の時代。

中生代(約2.5億年前~6600万年前)

「恐竜の時代」。巨大な爬虫類が、陸・海・空のすべてを支配した。

新生代(約6600万年前~現在)

「哺乳類の時代」。恐竜が絶滅した後の地球で、哺乳類と鳥類、そして被子植物が、その地位をうばい、急速に繁栄した。

豆知識を話すコレクト コレクトの発展ラボ:過去の気候変動とミランコビッチ周期

豆知識ですが、特に新生代第四紀の、約10万年周期でくり返される氷期・間氷期のサイクルは、地球が受け取る太陽放射エネルギーの、周期的な変化によって引き起こされていると考えられています。この変動の主な原因とされるのが、地球の公転軌道の離心率の変化(約10万年周期)、地軸の傾きの変化(約4万年周期)、そして地軸の歳差運動(約2.6万年周期)です。これら3つの天文学的な周期を、**「ミランコビッチ・サイクル」**とよびます。地球の気候は、地球内部の活動だけでなく、宇宙との関わりの中でも、大きく変動してきたのです。

なるほど!と話すちさまる 受験対策まとめ

地球史は、時代の「順番」と、各時代を象徴する「キーワード」を結びつけることが、何よりも重要だ!

  1. 地質年代の大きな区分(先カンブリア時代、古生代、中生代、新生代)と、それぞれの代表的な生物・出来事を完璧に覚える。(例:古生代→三葉虫、中生代→恐竜、新生代→哺乳類)
  2. 生物の陸上進出の順番(植物→両生類→爬虫類)を理解する。
  3. 古生代末と中生代末に、生物の「大量絶滅」があったことを認識する。
  4. 新生代第四紀の、氷期・間氷期サイクルの原因が、「ミランコビッチ・サイクル」であることを覚える。

練習問題

問1:地球の歴史上、恐竜が繁栄した地質年代を何というか。

問2:約27億年前に出現し、光合成によって地球の大気に酸素をもたらした生物は何か。

問3【論述】:中生代の終わり(約6600万年前)に、生物の大量絶滅が起きた。このとき絶滅した代表的な生物のグループを2つあげ、この大量絶滅の最も有力な原因は何だと考えられているか、50字程度で説明しなさい。

解答と解説

問1の答え:中生代

問2の答え:シアノバクテリア

問3の解答例:
絶滅した生物:恐竜、アンモナイト。
原因:メキシコのユカタン半島付近に直径約10kmの巨大な隕石が衝突し、急激な環境変動を引き起こしたため。(49字)