小6理科③:火山の噴火や地震による土地の変化
この記事で学ぶこと
わたしたちが暮らすこの大地は、いつも静かに安定しているわけじゃない。ときには、火山が火をふき、大地が大きくゆれることもある。この単元では、地球の内部に秘められた巨大なエネルギーが引き起こす「噴火」と「地震」という現象が、わたしたちの土地をどのように変えていくのかを探っていくよ。
火山がもたらす大地の変化
火山が噴火すると、地球の内部から、さまざまなものが噴き出してくる。これらをまとめて「火山噴出物」というんだ。
- 溶岩:地下の高温でドロドロにとけた岩石(マグマ)が、地表に流れ出たもの。冷えて固まると、新しい大地をつくる。
- 火山灰:マグマが粉々になって、空高くまい上がったもの。広い範囲にふり積もり、地層をつくる(鍵層になることも!)。
- 火山弾・噴石:溶岩のかたまりや、もともとあった岩石が、噴火の勢いで吹き飛ばされたもの。
- 火山ガス:水蒸気や、においのある有毒なガスなど。
これらの働きによって、火山は、長い年月をかけて、わたしたちが今見ているような、特徴的な山の形をつくりあげてきたんだ。
コレクトの論理 de 解説
火山の形は、噴き出す溶岩のねばりけによって大きく変わります。ねばりけが弱いサラサラの溶岩は、広く遠くまで流れるため、ゆるやかな傾斜の山(ハワイのキラウエア火山など)をつくります。逆に、ねばりけが強いネバネバの溶岩は、あまり遠くまで流れず、火口の近くでもり上がるため、富士山のような、急な傾斜の美しい円すい形の山をつくるのです。
地震が引き起こす大地の変化
地震は、地球の内部にたくわえられたエネルギーが、一気に放出されることで、地面がゆれる現象だ。この巨大な力は、わたしたちの土地に、さまざまな変化をもたらす。
- 断層:地面に大きな力がかかり、地層がくいちがって、ずれ動いてしまったもの。大きな地震の多くは、この断層が動くことで発生する。
- 隆起と沈降:土地がもち上がったり(隆起)、逆に沈みこんだり(沈降)することがある。
- 液状化:ゆれによって、水分を多くふくんだ砂の地面が、一時的に液体のようにやわらかくなる現象。
- 津波:海の底で大きな地震が起きると、海底が大きく変動し、その上の海水全体がもち上げられたり押し下げられたりして、巨大な波となって海岸におしよせる。
ちさまるといっしょに考えよう!
地層は、もともと海底などで水平に積もっていくはずだったよね。でも、がけで見かける地層の中には、ぐにゃりと曲がっていたり、ななめに大きく傾いていたりするものがある。あれは、どうしてなんだろう?
その謎を解くカギも、地震などを引き起こす、大地の巨大な力にあるんだ。水平に積もった地層が、あとから両側から強く押されることで、ぐにゃりと曲げられてしまうことがある。これを「しゅう曲」というよ。地層は、わたしたちに、自らが受けた力の歴史をも語りかけてくれるんだね。
コレクトの防災ラボ
火山活動や地震は、わたしたちの暮らしに温泉や豊かな土壌といった「めぐみ」をもたらす一方で、大きな「災害」を引き起こす危険性もはらんでいます。特に日本は、世界でも有数の火山・地震大国です。これらの現象のしくみを正しく、論理的に理解することは、いざというときに自分の命を守るための、最も重要な「備え」となるのです。
チャレンジ問題:この地層で何が起きた?
あるがけの地層を観察したところ、下の図のような様子が見られた。
(※ここに、途中で地層がくいちがい、ずれている「断層」のイラストが入る想定)
この地層では、過去にどのような大きな出来事が起きたと推測できるか。その出来事の名前と、なぜそう考えたのかを説明しよう。
こたえを見てみる
【起きた出来事】断層ができるような、大きな力がはたらいた(おそらく地震)。
【理由】地層が、ある線をさかいにして、上下にくいちがってずれているから。この「地層のずれ」のことを断層といい、地震のような、大地に巨大な力がはたらくことでつくられると考えられるため。