小6理科①:土地の構成物と地層の広がり
この記事で学ぶこと
わたしたちが立っているこの地面。その下は、いったいどうなっているんだろう? この単元では、地面を作っているつぶの種類や、がけなどで見られるきれいな「しま模様」の正体である「地層」のひみつにせまっていく。地面の下の世界を探る、壮大な冒険のはじまりだ!
地面をつくる「つぶ」たち
地面をよく観察すると、さまざまな大きさや種類のつぶが集まってできていることがわかる。これらは主に、石の風化や、火山活動などによって作られるんだ。理科では、大きさによって主に3つに分けて考えるよ。
- れき:直径2mm以上の、小石のような大きなつぶ。
- 砂:直径2mm~1/16mmの、ザラザラしたつぶ。
- 泥:直径1/16mm以下の、とても細かく、水にぬれるとねば土のようになるつぶ。
この他に、火山の噴火によってふり積もった「火山灰」なども、地面を作る重要な構成物だ。
やってみよう! ペットボトルで地層実験!
れき・砂・泥がまじった土をペットボトルに入れ、水を加えてよくふってみよう。そのまましばらく置いておくと、下に何が積もるかな?
- ペットボトルを置いてすぐには、水がにごっている。
- 時間がたつと、下に重くて大きい「れき」がまず沈む。
- 次に「砂」がその上に積もる。
- そして、いちばん軽くて小さい「泥」が、いちばん上にゆっくりと積もっていくんだ。
この「大きい(重い)ものから先に沈む」というルールが、地層のできかたを解き明かす、とても大切なカギになるんだ!
「しま模様」の正体、地層とは?
がけや、道路を作るためにけずられた山の斜面などで、地面がきれいな「しま模様」になっているのを見たことはないかな? あれが「地層」だ。地層は、れき・砂・泥・火山灰などが、長い年月をかけて積もりかさなってできたものなんだ。
コレクトの論理 de 解説
地層のしま模様ができる原因は、5年生で学んだ川の働きと深く関連しています。例えば、大雨で洪水が起きると、速い流れが大きな「れき」を運び、それが堆積して一つの層を作ります。その後、おだやかな川の流れが続くと、今度は細かい「泥」がゆっくりと堆積し、別の層を作ります。このように、積もる時代や環境によって、積もるものの種類や大きさが変わるため、地層はケーキのようなしま模様になるのです。
離れた場所の地層をつなぐカギ
地層は、あるていど広い範囲にわたって、水平に広がっていることが多い。でも、遠くはなれた場所の地層が、同じ時代のものかどうか、どうやって調べればいいんだろう?
コレクトの発展ラボ
その謎を解くための、特別な目印になる層があります。それが「鍵層」です。鍵層は、「広い範囲に」「短い時間で」「いっせいに」積もったという特徴があります。代表的なのが、火山の大きな噴火によって広範囲にふり積もった「火山灰の層」です。
例えば、A地点とB地点という、はなれた場所のがけから、同じ特徴を持つ火山灰の層が見つかったとします。すると、その火山灰の層と、そのすぐ下の地層は、A地点とB地点でほぼ同じ時代に積もったものだと推測できるのです。このように、鍵層は、離れた地層を比べるための、信頼できる「ものさし」の役割を果たします。
チャレンジ問題:柱状図を読みとこう!
地面の下の地層の様子を知るために、地面に穴をほって調べることを「ボーリング調査」というよ。下の図は、A、B、Cの3つの地点で行ったボーリング調査の結果を、「柱状図」という棒グラフのような図にまとめたものだ。
(※ここに、鍵層を含む3つの地点の柱状図の画像が入る想定)
この3つの地点の柱状図をよく見て、土地がどちらの方向に傾いているか、理由とともに答えよう。
こたえを見てみる
【こたえ】東の方向にむかって、土地が低くなるように傾いている。
【理由】3つの地点に共通して見られる「火山灰の層」(鍵層)に注目する。A地点では地面から浅いところに、B地点ではそれより少し深いところに、C地点ではいちばん深いところに火山灰の層がある。鍵層はもともと同じ高さに積もったはずなので、A→B→C(西から東)にむかって、土地全体が低くなるように傾いていると考えられるから。