小6理科②:地層のでき方と化石
この記事で学ぶこと
地面の下に広がるしま模様、「地層」。それは、地球の歴史が刻まれた、壮大な物語のページなんだ。この単元では、地層がどのようにして作られ、その中から見つかる「化石」が、わたしたちに何を教えてくれるのかを、深く探っていくよ。まさに、大地のタイムトラベルだ!
地層は、どこで、どうやってできるのか?
地層の多くは、海の底や湖の底など、水の働きがおだやかな場所で、長い年月をかけて作られる。5年生で学んだ、川の「侵食」「運搬」「堆積」の働きを思い出してみよう。
- 山地がけずられ(侵食)、土砂が川によって運ばれる(運搬)。
- 川が海や湖にそそぐ場所で、流れがおそくなる。
- 水によって運ばれてきた、れき・砂・泥が、重いものから順に海底に積もっていく(堆積)。
- この堆積が、何万年、何百万年もくり返されることで、積もった土砂が下の層から押し固められ、地層ができあがる。
つまり、わたしたちががけなどで見ている地層の多くは、大昔は海の底や湖の底だった場所が、その後の大地の変動(隆起)によって陸上に現れたものなんだ。
コレクトの論理 de 解説
地層を観察する上で、一つ、非常に重要な基本法則があります。それは「地層累重の法則」です。これは、「下の層ほど古く、上の層ほど新しい」という、ごく当たり前のルールです。ただし、これは地層が作られたままの状態で残っている場合に限ります。後で学ぶ、大地の巨大な力によって、この順番がひっくり返されてしまうこともあるのです。
化石:過去からのメッセージ
地層の中からは、大昔の生物の死がいや、生活の跡が残された「化石」が見つかることがある。化石は、ただの石ころじゃない。その地層が積もった当時の地球の様子を教えてくれる、貴重なタイムカプセルなんだ。
ちさまるといっしょに考えよう!
もし、山のてっぺん近くの地層から、貝の化石が見つかったとしたら、どんなことが考えられるかな?
その通り! その山の場所は、大昔は海の底だった、という強力な証拠になるんだ。このように、化石には、当時の環境を知るためのヒントがたくさんつまっているんだよ。
2種類の特別な化石
数ある化石の中でも、特に重要な役割を持つ2種類の化石を紹介しよう。
- 示相化石:その地層が積もった当時の環境を知る手がかりになる化石。
- 【例】サンゴの化石 → きれいで、あたたかい、浅い海だったことがわかる。
- 【例】シジミの化石 → 海水と淡水が混じりあう、河口付近だったことがわかる。
- 【例】ブナの葉の化石 → 少し涼しい気候の陸地だったことがわかる。
- 示準化石:その地層が積もった時代を決める手がかりになる化石。
- 【特徴】特定の時代に、世界中の広い範囲で栄え、その後、絶滅した生物の化石。
- 【例】アンモナイト → 中生代(恐竜がいた時代)
- 【例】三葉虫 → 古生代
- 【例】ビカリア → 新生代
コレクトの発展ラボ
豆知識ですが、生物の死がいが化石として残る確率は、極めて低いのです。ほとんどは、他の生物に食べられたり、微生物によって分解されたりしてしまいます。化石になるためには、死んだあとすぐに土砂に埋められるなど、偶然の幸運が重なる必要があります。君たちが博物館で見る化石の一つひとつが、奇跡的な偶然の産物なのです。
チャレンジ問題:地層のナゾを解け!
あるがけの地層を観察したところ、下の層からは「アンモナイトの化石」が、そして、そのすぐ上の層からは「サンゴの化石」が、たくさん見つかった。
この観察結果からわかることを、示相化石・示準化石という言葉を使って、2つ説明してみよう。
こたえを見てみる
- 時代についてわかること:「アンモナイト」は中生代の示準化石なので、下の層は中生代に積もった地層だとわかる。
- 環境についてわかること:「サンゴ」はあたたかくきれいな浅い海の示相化石なので、上の層が積もった当時は、そのような環境の海だったとわかる。