小5理科①:流れる水の働き
この記事で学ぶこと
雨がふったあと、たくさんの水は川になって海へと向かう。そのとき、ただ水が流れているだけじゃないんだ。水には、地面をけずったり、石を運んだりする、とても大きな力がある。この単元では、流れる水の3つの大きな働きと、その力が何によって変わるのかを、実験のようにくわしく見ていくよ。
実験でたしかめよう! 流れる水の3つの働き
川の水が、高いところから低いところへ流れるとき、3つの重要な働きを同時に行っている。それは、「侵食」「運搬」「堆積」だ。まずは、この3つの言葉の意味を、しっかりとつかもう。
- 侵食:地面や岩をけずる働き。
- 運搬:けずった土や砂、石を下流へ運ぶ働き。
- 堆積:運んできた土や砂、石を川底におく働き。
ちさまるといっしょに考えよう!
この3つの働きって、いつも同じ力なのかな? それとも、何かが変わると、この3つの力の強さも変わるんだろう?
力のひみつは「傾き」と「水量」にあり!
その通り! 川の場所や状態によって、この3つの働きは大きく変わってくる。そのひみつをにぎるのが、「川の傾き」と「流れる水の量」なんだ。この2つが変わると、川の流れの速さが変わり、3つの働きに影響をあたえるんだよ。
コレクトの論理 de 解説
これは、水の持つ「エネルギー」で説明できます。坂道に置いたボールが、坂の角度が急なほど速く転がるように、川も傾きが急なほど、水は速く流れます。また、水の量が多いほど、流れる水の全体の力は大きくなります。
つまり、流れが速く、水量が多いほど、水のエネルギーは大きくなり、「侵食」と「運搬」の力は強くなるのです。逆に、流れがゆるやかになるとエネルギーが小さくなり、運んでいたものを手放す「堆積」が始まるのです。
カーブの外側と内側で起きていること
流れる水の働きは、川の曲がり角(カーブ)でとても分かりやすく観察できるよ。
- カーブの外側 → 流れが速くなる。そのため、岸がどんどんけずられていく(侵食)。深くなっていることが多い。
- カーブの内側 → 流れがおそくなる。そのため、運ばれてきた砂や小石がどんどん積もっていく(堆積)。浅い砂浜(砂原)ができていることが多い。
今度、川のカーブを見ることがあったら、外側と内側で岸の様子がどう違うか、ぜひ観察してみてほしい。
チャレンジ問題:2つの川、どちらが石を遠くまで運べる?
ここに、2つの川があります。
・A川:傾きが急で、水量も多い川。
・B川:傾きがゆるやかで、水量が少ない川。
山の同じ場所から同じ大きさの石が転がり落ちたとき、より遠くまで石を運ぶことができるのは、どちらの川だと考えられるかな? 理由もあわせて説明してみよう。
こたえを見てみる
こたえ:A川
【理由】A川は、傾きが急で水量も多いため、流れが速く、水のエネルギーがとても大きい。そのため、石を運ぶ力(運搬の働き)がB川よりも強く、より遠くまで石を運ぶことができると考えられるから。